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エージェントは登録希望者を大事にせよ

世には「エージェント」と呼ばれる業種が存在します。ウチもその一つです。

エージェントの中には、フリーランスの人たちから
「登録したいです」
「登録するにはどうすればいいでしょうか?」
みたいな登録希望や問い合わせを受ける立場のエージェントが存在します。ウチもその一つです。

そういう「登録希望を受ける立場にあるエージェント」全員に声を大にして言いたい。声を大にして言いたいけどブログじゃ声が届かないのでせめてフォントを大きくして言うけど、



登録希望者からの問い合わせに対しては真摯に対応した方がいいですよ



って思うんですよね、昔から。



これ、タネ明かしというか敵に塩を送る形になっちゃうかもしれないけど、でも世の中より良くなってほしいから言っちゃうけど、

「他のエージェントに登録しようとしたけど、問い合わせをしてもなしのつぶてで、腹が立ってます。その点アイリスはすぐに、ちゃんとした返事を返してくれたから、登録したい」

って言われたことが複数回(*2回だけどw)あります。
しかも、そういう通訳者に限って、登録後スター選手になるんですよね(*2人だけど)。

ーー

エージェントっていうのは、いわば人と人をつなぐ仕事でしょ?コーディネーションを円滑に行って案件を成立・成功させる人でしょ?エージェントって。それをやるからマージンを取っているんでしょう?

そういう立場にあるのなら、人の心を大事にしましょうよ。
せっかく(このエージェントに興味がある。登録してみたい)と思ってくれたフリーランスの人をむげに扱うのではなく、ちゃんと真摯に対応しましょうよ。

登録希望を出したのに何の音沙汰も無ければ誰だって(大事にされてない)って感じて悲しむでしょう?
(*もっとも、ウチもせっかくの登録希望メールが迷惑メールフォルダに入っちゃってて数ヶ月放置したことがあるので人のこと言えないけど。発見次第、すぐに連絡を取り盛大に謝りました。)

ーー

あ、あの、もしかしてですけど、「我々のお客様はあくまでもクライアントであって、フリーランスの人たちはウチの下請けだ」みたいに勘違いしてます?だからむげに扱うんですか?だとしたら大間違いですよ。フリーランス登録者たちは、下請けではなく、使用人でももちろんなく、むしろお客様です。これはまあ業種によるでしょうけど、クライアントが支払うお金は実はエージェントであるあなたではなく、登録してくれているフリーランスのもの、とも言えます。本番で活躍するのはフリーランスの人たちだから。あなたは、そのフリーランスの人からマージンをいただいているんです。ほらね、途端にフリーランスの人たちが「コスト要因」ではなく「収益の源泉」に思えてきたでしょう?



登録希望者をもっともっと大事にしましょう。
人の心を扱うエージェントであれば特に。




# by dantanno | 2024-11-29 10:19 | IRIS・経営 | Comments(0)

英語で話しかけられることについて

僕、中身日本人なんですけど見た目が外国人なため、普段日本にいるとき、お店やホテルの接客とかで(日本の人から)英語で話しかけられることがあります。
前は、それが結構イヤで、ぴしゃりと「いや、日本人です」とか「日本語出来ます」みたいに返しちゃってました。


なんでイヤかというと、
1.まあシンプルに『お互い日本語の方がラクでしょ』っていうのに加えて、
2.子供の頃、行く先々で知らない子供たちから「ハロ〜、ハロ〜」って言われたのを思い出すんですよね、そうやって英語で話しかけられると。



当時、その子たちも別に悪意があったわけではなく単に外国人が物珍しいから(注:今から40年前)、あるいは単にコミュニケーションを取ろうとしてくれてただけなのかもしれないけど、こっちからするとお祭りとか市民プールとかキャンプとかでハローハロー言われるとからかわれている気がしてイヤだったんです。

だから、今でも、英語で話しかけられるのはちょっと微妙なんです。見た目外国人なんだからしょうがないんですけどね(爆)。



でも、最近は考えが変わってきました。外国人(注:実は日本人w)に対し、勇気を持って英語で話しかけてくれているわけじゃないですか、相手の人は。だからそれをむげに却下?するのはおかしい、と思えるようになりました。
最近では、英語しか出来ないフリをしてその後の短いやり取りを英語で通すこともあります。成長したなぁ〜、自分w

# by dantanno | 2024-11-15 15:11 | グローバルに生きる | Comments(0)

「自分には本がある」

もうかれこれ10年以上、一冊の本を書いています。

通訳に関する本ではなく、なんと言うか、モノの考え方?についての本です。



なかなか書き上がらないのが悩ましいんですが、一方で、この「本プロジェクト」がずっと続いていることのメリットもあります。それは「自分には本がある」と思えること。

何かイヤなことがあったときはもちろん、そうじゃなくて普段の生活を送っている中でも(自分の人生、これでいいんだろうか・・)みたいに思うときってあるじゃないですか。そういうときに「自分には本がある」と思えるのは、大いに心の支え・救いになるんです。自分は何か大きなことに取り組んでいる、と。それがあることで、自分の人生に意味があると感じられるんでしょう。




人生に意味はあるのか。
我々はなんのために生まれて来たのか。
その意味・目的は。



我々人類が太古の昔から自身に投げかけてきた問いです。



意味はある、と考えることもできるし、意味など無い、という考え方もある。
「あなたの人生の意味は○○です」と『教えて』くれる人や教義にすがる人もいる。
一方で、自分の人生の意味は自分で作るのだ、という人もいますね。

また、「私が生まれてきた目的・意味は?」なんて考えるのはおこがましい、という見方も出来ます。ダンゴムシが難しい顔して(俺が生を授かった意味は。。。)なんて石の裏で考えていたら滑稽。だったら、我々人間がそれをやっているのもおかしな話、とも言える。



本を書く、といった大きなプロジェクトに挑むことで、自分の人生に意味があると思えるんだと思います、僕の場合。

だからこそ、この本プロジェクトが今後進み、終わってしまうのが恐い面もあります。その後は何を支えに、、というか、何に意義づけをして人生を意味のあるものにすればいいんだろう、と。

でも考えてみれば、僕のこの本が仕上がったとしても世の中はほぼ変わっていないし、仮にその時に自分の人生の意味が無くなるのであれば(*なくならないけど)、だとしたら今だってそれほど意味のある人生ではないということだし、逆に今は本のプロジェクトがあるおかげで意味があると思えるのであれば、本のプロジェクト終了後も人生の意味づけはきっと出来るはず。結局、ただ単に気の持ちようですからね、こういうのって。そう思うと気がラクになります。

# by dantanno | 2024-11-12 16:37 | 本の執筆 | Comments(0)

通訳ワークショップで言った内容 第1弾 2024年10月

いろいろな場で通訳のワークショップをしたり、大学院で通訳を教えたりと、通訳の講義をしている。
ただ自分が話すだけでなく、受講者に通訳をしてもらい、それに対してあれこれコメントをしている。

結局、毎回、同じようなことを言ってるんですよね、僕。完全にイコールではないにせよ、重複が多い。で、講義のたびにそれを垂れ流している。記録していない。
せっかくだから、そしてどうせ同じようなことを言っているなら、その内容をここで共有していったらいいかな、と思いました。で、今後、ワークショップをする度に新たな項目を書き足していけばいい。誰かの役に立つかもしれない。

ということで、まずは先日行ったとあるワークショップで言った内容です:



話し手の話をちゃんと聞くw

メモを取るw

リプロダクションが大事
ビリヤードで、手玉(白い玉)をまっすぐに打つことすら出来なかったら、手玉を使って目標の玉をポケットに落とすことなんて無理。まずは手玉をまっすぐに打てないといけない。
リプロダクションもそう。話し手が言ったことを正確に再現出来なければ、それを訳すなんて無理。
ーー
リプロダクションする際、話し手が言ったことをまるで鏡のように、なるべくその通りに再現するのも一興。
それが出来るようになったら、今度は「改良版のリプロダクション」に挑もう。
言っている内容は変えずに、でもより良くしてしまうリプロダクション。それが訳の下準備になる。
通訳は料理と似ている。発言者の発言そのものは、野菜や肉、米など、素材。それをそのまま料理してもまあ食べられるのだろうが、小さく切って食べやすく、スジや苦いところを取ったり、といった下ごしらえをすることでより美味しい料理になる。その下ごしらえに相当するのが「改良版のリプロダクション」。
冗長なところを整理する。言い間違いを直す。対比を明らかにする(*後述)など、出来ることはいろいろとある

電子辞書を用意し、使う
電子辞書は「分からない・訳せない」から使うのではない。そういう時ももちろん使うが、『分かるし訳せるが、他にいい訳、より良い訳が無いか』を調べるために電子辞書を使う。訳に広がりを持たせるために活用する。
電子辞書を単に「用意」するだけでなく、実際に本番中に「使う」ことが重要。
本番中に使えるようにするためには、電子辞書にある程度慣れないといけない。電子辞書の使い方、というテクニカルな慣れも必要だし、より重要なのは、話を聞きながらそれと同時進行で電子辞書を操作出来るいわば「脳のパーティション化」が必要となる。

間が空いてOK
訳出時、「何か言わなきゃ」という間違った認識を改める。(通訳学校の先生で、「間を空けてはいけない。とにかく何か言え」と教えている人たち、今すぐやめてくださいw)
「何か言わなきゃ、間を埋めなきゃ」と思うから“So ***”みたいに、ムダというか有害なFillerで訳を始めてしまったりする。
余計なことを言うぐらいなら、何も言わない方がいい。飛行機の機内アナウンスを反面教師としよう。
間があってもOK。OKどころか、間はいいこと。我々の日常会話にもたくさんの「間」があるし、それがよかったりするでしょう?
訳のみならず、人が発する言葉は、多ければ多いほど、各フレーズ、各発言あたりの重みは失われていく。我々が言葉を発すれば発するほど聴き手は集中力を失い、言葉は刺さらなくなる。
訳出は、多ければ多いほどいいのではなく、その逆。少なければ少ないほどいい
なんなら、ひと言も言わずに訳せてしまえばそれがベスト。でも、何も言わなければ訳せないからやむを得ず通訳者は発言をするが、必要最小限に収めるべき

会議参加者の関係を訳に反映
(注:この時使った教材は親しい者同士の対談だった)
今回は会議参加者同士が「仲がいい」ことが分かるので、突っ込んだ訳をしてもOK

会議の趣旨を理解し、それを訳に反映する
(注:この時使った教材はインタビュー形式)
インタビュワーの「振り」を理解し、それを強調した訳にする。インタビュワーは「この中期経営計画、ホントに実現出来るの(笑)?」と振った上で、親しい間柄である社長に「出来ます」と言わせたがっている。結構壮大な「振り」をしている。
社長の「出来ます!」を効果的にするためには、最初に「ホントに出来るの?出来ないんじゃないのw?」という振りを大きくしないといけない。だから、そこを淡々と訳してはいけない。もっとドラマチックに。口語調でもいいから(対談者同士は親しいんだから)。

対比を大事に
今年 VS 来年
自社 VS 他社
Aspiration的な中計 VS 現実的な中計
訳において、対比を立体的に浮かび上がらせる

誤魔化さない
英語のキレイさ
訳のスピード早口さ
ムダなFiller
そういったもので誤魔化さない。誤魔化せてないから。
ゆっくり訳し、基本的な通訳力で勝負する
上手に訳せるようになったら、その後、徐々にスピードを早くしていけばいい

サインを立てる
「この後、話がこっちに行きますよ」というのを聴き手に知らせる。
逐次通訳においては、通訳者は一度話を聞いた上で訳を開始出来る、というアドバンテージがある。だから、話がこの先どっちに行くのかを分かった上で訳せるんだから、そのアドバンテージをちゃんと活かす

ロジックの矢印「→」が大事
「○○である → だから□□である」みたいなロジックの矢印はしっかりメモに描き、訳でもそれを強調する

概念の抽象化
話し手がいろんな表現を列挙し始めたら、その話は抽象化出来る可能性が高い。
例:「今日のお昼、何食べようかなぁ、、、ラーメン、カツ丼、パスタ、いろいろあるなぁ、どうしようかなぁ・・・」
各表現(この場合はラーメン等)をいちいち再現することよりも抽象化の方が大事
なんなら、各表現は訳から落としちゃっても、抽象化された概念さえ訳せればいいぐらい
例:「今日のお昼、何食べようかなぁ、、、ラーメン、カツ丼、パスタ、いろいろあるなぁ、どうしようかなぁ・・・」という発言を訳す際、「ラーメン、カツ丼、パスタ」の3項目は一体何か?それを抽象化するとどう表現出来るかというと、「今日のお昼に食べたい食事の候補」。それが抽象化された概念。だから、それさえ言えればよくて、「カツ丼」を訳で再現することは実はそれほど重要ではない。だから、(カツ丼ってどう英訳するの??)とパニクる必要は無いし、聴き手にとっても、通訳者にカツ丼の訳をあれこれ考えられるぐらいなら、話を抽象化し分かりやすくしてくれた方が付加価値が大きい
訳は
「今日のお昼、何食べようかなぁ、、、ラーメン、カツ丼、パスタ、いろいろあるなぁ、どうしようかなぁ・・・」
 ↓
「今日のお昼、何食べようかなぁ、、、食べたいものがいろいろある(だから迷う)、どうしようかなぁ・・・」
でもいいのだ。

逐次通訳の着地を大事に
訳が終わったことを聴き手にしっかりと伝える
訳に自信が無い時ほど訳の終わりをゴニョゴニョして誤魔化したくなるが、何も誤魔化せていない。むしろ悪影響
「以上です!」と言わんばかりの華麗な着地を。

# by dantanno | 2024-11-01 10:09 | 通訳 | Comments(0)

コミュニケーションの極意

コミュニケーションっていうのはおもしろいもので、しようと思えば必ず相手のせいに出来る:

・ハッキリ言わない VS ちゃんと聞いてない
・話が分かりにくい VS 理解力がない
etc.

ーー

でも結局交通事故と一緒でなかなか10:0は無い。

ーー

もしかしたら本当に「相手のせい」で、10:0なのかもしれない。でもそれを言っていてもしょうがないので、
① 分かりやすく話す
② 相手の話を理解しようとする
ことを人生のなるべく早めから心掛け始めると、年取った頃にはだいぶコミュニケーションが上手になっています。若者に人気になりますw。

ーー

じゃあ、どうやるか。

①分かりやすく話す
自分の話を客観的に聴く。(なるほど、これじゃ分からないな・・)という箇所があれば、、っていうかいっぱいあるから、それを修正する。
最初は「話を口にした後」に反省するだけでいい。慣れれば「口にする前」に修正出来ちゃうようになる

②相手の話を理解しようとする
これは想像力の問題。「ハ?分からない」と思った時、相手のせいにして怒るのではなく自分の理解力のせいにしちゃう。そうすれば強制的に想像力をはたらかせられる。想像力をはたらかせるのは、最初は結構めんどくさいが、慣れると自然に出来るようになる

# by dantanno | 2024-10-25 07:34 | 自戒ネタ | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


by dantanno