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理解

「○○を理解出来ない」というフレーズを、
A. 相手を非難・拒絶するためではなく、
B. その○○という事・考え方をより理解出来るような人間になりたいという「自己研鑽の意欲」を表明するため、その目的でこのフレーズを使う人が増えれば、より良い社会になる。

理解「できない」というのは文字通り能力の問題。理解出来ないのは、例えば勉強が出来ないのと一緒で、あまり自慢出来た話ではないしそんなに堂々と言いふらすことでもない。
理解出来ないこっちが悪いのであって、相手ではない。例えば僕がアインシュタインから相対性理論の説明を受けても理解出来ないが、悪いのは彼ではない。

相手を、あるいはその○○というものをより理解出来るような人間にこっちが成長すればいいのだ。

# by dantanno | 2025-03-27 10:25 | 提言・発明 | Comments(0)

業者は謝ってはいけない

我々業者は、お客さんに謝ってはいけないと思うんです。

これはなにも、「謝ると当方の過失を認めたことになり経済的に不利になる。だから謝らない方がいい」みたいなセコいことを言っているのではありません。何か過失があれば、何か悪いことをしたら、もちろん謝らないといけません。そうじゃなくて、私がここで言っているのは、謝らないといけない状況を作ってはいけないということです。「謝りゃいいや」に逃げないということです。

謝る、ってよほどのことだと思うんですよ。相当重い。だって期待を超えていないどころか、期待を下回っているわけですからね。期待されたことをやっていないから謝らないといけないわけです。

例えば通訳であれば、指定された日時に指定された場所に行き、そこで(完璧ではないにせよ)ある程度のクオリティの通訳をする、ということをお客さんに約束し、その見合いにお金をもらっています。だから、もし指定された日時にその場に行かなかったり、あるいは行ったはいいものの通訳がボロボロだったら「ごめんなさい」となるわけです。でもそれでは当然ダメで、だからそもそも謝らないといけない状況を絶対に作ってはいけないわけです。謝ったら負け、謝ったら終わりなんです。

謝るのって、クセになります。
何か失敗し、謝って、それでとりあえず許してもらえると(あ、謝りゃいいんだw)という気持ちが必ず芽生えます。そしてその後ずっと謝り続けるようになります。謝るのが仕事になります。いろんな業者見てください、ずっと謝ってる人いますから。その結果たまった鬱憤を家族にぶつけたり酒場でグチを言ったりするようになるわけですが、大元の問題は「謝っている」ことです。謝るからいけないんです。プロなら、絶対謝っちゃいけないんです、だって失敗しないから。失敗した時だけ潔く謝ればいいんです。そして痛烈に反省し、二度と同じ失敗をしなければいい(だからもう謝らない)んです。

こんなことを言っていますが、アイリスでも時折、謝らないといけない状況に遭遇することがあります。通訳者にクレームが入ったり、我々運営側で何かしらのミスがあったり。そういう時はその案件を無料にします。だってそうですよね、「○○をします」ということに対し100円もらう約束になっているわけだから、「○○をしなかった」なら100円もらえるわけがない。まあ、ちょっと「すみません」と言うたびに無料にしているわけではもちろんなくて、ことの程度によりますけど、多少なりとも重い「謝り」であれば無料、あるいは割引にしないといけないと思います。お金で済む問題ではないけれど、でもせめてお金を調整しないといけない。

他の業界ではどうか。通訳ではそういう案件はあまりありませんが、例えば大がかりなイベントの開催とか、プラント建設とか、そういう長期・大規模な案件の場合、期間中業者が謝るたびに料金をチャリンチャリン減額していくべきだと思っています。だって謝らないといけないような状況を作っちゃっているわけだから。約束違反です。

この辺がまた業者のずるいところなんですよね。
約束通りの成果を出さなければ、本当はお金をもらっちゃいけないんです。だって約束・契約違反だから。でも、業者がやるべきことをやっていないのに、それでも約束通りのお金をもらいたい時どうするか?そう、謝るんです(笑)。だから謝るのってずるいんですよ、すごく。謝るぐらいなら料金タダにしないといけないんです、本当は。

話をまとめると:
期待通りの成果を上げた → 謝らなくていい
期待を下回った(約束された成果を届けていない) → 謝らないといけない。お金はもらえない
期待を超える → 謝らなくていい。むしろ、お客さんが「ありがとう」と言ってくる

我々業者は謝っていては全然ダメで、むしろお客さんに「ありがとう」と言わせないといけない、それが使命だと思っています。
安易な謝りに逃げず、お客さんが感謝のあまり値上げを提案してくる、そんな業者を目指したいものです。

# by dantanno | 2025-03-14 09:51 | IRIS・経営 | Comments(0)

自営業者の「休み」

我々自営業者は、会社などから定められた「休み」が無いため、自分で休みを設定する必要がある。

飲食店とかはいいですよね、定休日を設ければいいから。

我々通訳・翻訳者の場合、定休日的な概念は無い。通訳者にとって、クライアント≓会議参加者が休みのため土日が休みのケースが多いが、イベント等の通訳を主な業務とする通訳者であれば土日も平日も関係無い。

また、売れっ子の翻訳者であればほぼ常に翻訳案件を1つあるいは複数抱えている。
じゃあ翻訳を抱えていない時はどうかというと、次いつ依頼が来るか分からないからなんとなくスタンバっている。依頼が来たらすぐ取りかかるわけだし。そして依頼が来なければ来ないで(依頼来ないなぁ・・)と気にかかる。因果な商売だ。

我々訳者の場合「○曜日が休みです」ではなく仕事が無い時が休みという運用になっているケースが多い。だから売れっ子ほど休みが無くなる。休みが無いことを嘆きつつ誇る芸能人と似ている。
しかも、訳者業に加えてエージェント業や講師業などもやっているとますます休みが無いというか、訳がお休みの時に他の仕事(経営や講義準備/講義)を行うようになり、常に働くようになってしまう。それがもう10年以上続いている。

矛盾するようだが、休みが無いからといって、常に仕事をしているわけではない。「結果的に何もしなかった」「結果的に休めちゃった」ことはいっぱいあるのだ。でも、それは「さあ、今日は休みだ!何して遊ぼう」と思いながら休みを楽しむのとはわけが違う。仕事モードでスタンバってたけど仕事が入らなかった(だから結果的に「休み」になった)という方が近い。

問題は、それでは心が休まらない/安まらない、ということだ。結果的に仕事が休みだったとしても、心が休まっていない。

じゃあ、家族旅行に行く時は?あれは「休み」でしょう、という気もするが、違う。
例えば自分の場合、以前家族でハワイに行ったはいいもののその時期になんかのディール案件が動き出してしまい、結局ホテルのビジネスセンターにこもって翻訳していた、みたいなこともあった。馴染みのバンカーから「ダン、今仕事頼める状態?何してるの?」と問い合わせが来て「家族でハワイに来てます」と答えると「そう。で、この翻訳、いつまでに納品出来る?」と聞かれる。なんのための前振りだったのか。
あるいはまた、イタリアの漁港で、パラソルで日を遮りながら(*そうしないとPCの画面が見えないw)デットIRの通訳をしたこともある。
家族旅行中、仮に仕事が無いとしても電車の切符がどうとかコロナのなんとか証明書がどうとかキッズの相手やらなんやらで、結局気が安まらなかったりするのだ(*じゃあなんのための家族旅行か、という点はとりあえず置いておく)。

だから我々訳者は、意図的に休みを作る必要がある。しかも、どうせやるなら徹底的にやりたいものだ。

以前「半年休もうかしら」と画策したことがある。
通訳や翻訳のクライアントに対し、「来年の○月から○月まで、半年間休みます」と宣言し、休むのだ。
でも、それで切れてしまう仕事があるだろう、ということと、そんなに休んで結局何するんだろう、、、きっと仕事の例外対応を少しずつ作り始め、気がついたら元の木阿弥になっていた、みたいなことになるんだろうな、と思い、休み計画は未だ実現していない。

半年は無茶だったが、2-3日なら出来る。どこかの温泉にでも行って、通訳しない、翻訳しない、その他の仕事も一切しない、という夢のようなバカンスを送ってみたい。スマホも見ない。
かえっていろんなことが気になって気が休まらないかもしれないが、それでもいいから一度やってみる価値はありそうだ。


# by dantanno | 2025-03-05 09:48 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)

感謝の先回り

英語で、例えば社内で誰かに
「ねえ、ちょっと○○やっといてくれる?」
みたいに頼む時、
"Hey, can you ○○? Thanks"
みたいに、文末にThanksって付けるのが一般的というか当たり前だと思うんです。

でも日本だと「○○やっといてくれる?」の後に来るのはたとえば「よろしくね」とか。
(相手がそれを実際にやってくれた時点で「ありがと!」って言ったりしますけどね)。

やってくれた時はもちろん、頼んだ時点で既にありがたいわけだから、
「○○やっといてくれる?ありがと
みたいに、どんどん先回りで感謝していこうと思う。

# by dantanno | 2025-02-28 07:03 | プライベート | Comments(0)

「楽天のポイントカードお持ちですか?」

カレーのチェーン店に行きました。

たまたまレジの隣の席だったので、なんとはなしに見ていたんですが、お会計の際、店員さんが「楽天のポイントカードお持ちですか〜?」と客に尋ねています。私が食事をしている間、6人の客が会計をし、全員ポイントカードの有無を聞かれ、たまたまかもしれませんが皆「持っていない」と回答していました。

6人の内1人(正確には一組)は、日本を訪問中と思われる外国人観光客で、楽天ポイントカードを持っているか聞かれ「What is that??」的なところからやり取りがスタートしていました。本部から店舗に渡されるマニュアルに「客全員に聞け」と書いてあるんでしょう。

これ、意味無いと思います。意味が無いからやめた方がいいと思います。

<ムダなひと手間>
まず、ひと手間ですよね、店員さんにとって。レジ周りの作業は必須ではあるものの、客にとっての付加価値が生まれない領域であり、店としては少しでもプロセスを簡素化し、所要時間を短くしたいものです。ポイントカードの保有確認は、そのレジ周りの作業のプロセスを1つ増やすことにつながっています。
そして、さらに悪いことに、ポイントカード有無の確認作業は、店員さんだけでなく客にとっても作業です。店員さんが忙しくなるだけならまだいい(*よくないけど)んですが、客まで忙しくさせられるわけです。しかも、後述する通りほぼムダな作業です。

そのひと手間をかけることで、レジでの時間短縮につながるならいいですよね。でもポイントカードの場合はまさにその逆で、店員・客双方の手間が増える上に双方にとっての時間のロスも増えるという、最悪の仕組みです。

<ポイントがほしい客は、自らポイントカードを出す>
これは既にいろんなところで言われていることですが、客が 1.ポイントカードを持っていて、かつ 2.ポイントを貯めたい/付けたい(ほしい)と思うのであれば、自らポイントカードを出しますよね。レジのところにはかなり分かりやすく目立つ表記で「楽天ポイントカード」と書いてあります。

「ポイントカードお持ちですか?」という質問が功を奏すためには、その客が:
1.ポイントカードを持っていて、かつ
2.ポイントをほしい、とも思っていて、そして
3.レジのところに大きく「楽天ポイントカード」と書いてあるのにそれを見落としていて、ポイントカードを出さなかった、
つまりかなりスリーピーな客の場合だけですよね、この質問が意味を持つのは。
そんな客はほぼいないわけで、だからこそ6人中0人という脅威の低打率につながるわけです。

<ポイントカードは客のためならず>
店員さんはなぜいちいち「ポイントカードお持ちですか?」と聞くのか → 本部にそうしろと言われているからです。
では、本部はなぜそんなことをするのか?当たり前ですが、我々客にポイントを付与してあげたい親切心からではありません。
そうではなくて、ポイントカードを通し、どの客がいつどの店で何を食べ、いくら払ったか、という情報を集め、活用したいんです。そのために店員さんにすべての客に対しポイントカードの有無を聞かせ、いちいち「ある」とか「無い」とか答えさせ、ポイントカードを持っている場合はそれをわざわざ出させてスキャンをするわけです。6人中0人、あるいは10人中1人のデータを「収集」して、一体どうしようというのか、私にはよく分かりませんが。

ーー

ということで、レジでのポイントカード有無の確認はムダどころか有害なので、ぜひ廃止をご検討いただきたいものです。その動きが本社から始まることは考えにくいので、現場レベルから上に上げていくしかないと思います。

我々客がほしいのはポイントなんかではなく、自分の頭で、そして客の立場に立って考えてくれる店員さん、そしてそれを後押ししてくれる本部です。

# by dantanno | 2025-01-16 14:43 | 提言・発明 | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


by dantanno