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カテゴリ:提言・発明( 111 )

イギリスの「問題」を考える(最終稿): 我々乗客はどう対処すればいいのか?

最初の記事はこちら

これまでの記事で見て来たように、イギリスでは交通機関の故障や遅延が頻発・再発・続発するわけですが、こうしたトラブル、ひいてはイギリスのこのような「問題」に対し、我々はどう対処すればいいのか。

いろいろな対処法があり得ると思います。



1.やり過ごす
2.人の振り見て我が振り直す
3.一矢報いる(一言言ってみる)
4.イギリス人の意識を変える
5.これは長所の裏返しなのかもしれない、と考える



それぞれについて見ていきます。



1.やり過ごす

故障や遅延といったトラブルに見舞われたロンドンの乗客はみな不満そうにしていますが、(まあしょうがない)的な諦めムードが随所に漂っています。
我々も、イギリス(っていうか、日本以外)はそういうもの、とあきらめればいいのかもしれない。
外国がおかしいのではなく、むしろ外国が普通、これがデファクトスタンダード、と考える。日本が超絶的にすごいだけなんだ、と思えばいい。

トラブルが発生したときの、職員サイドの There is nothing we can do 的メンタリティーについては過去の記事でご紹介した通りです。これも、言ってみれば先方サイドにおけるあきらめであり、やり過ごしですよね(笑)。我々に出来ることは無い、という、これこそ無常感。先方が「無常感」で来るなら、我々乗客も「無常感」をもって対応すればいい。

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確かに、こうしたトラブルに巻き込まれたとき、怒ったら怒っただけ損、という気がします。
これは、周りで(自分以上に)怒っている人がいる場合に、特に強く思います。怒ったってしょうがないのに。冷静さを保てれば気づけるその点に、冷静さを失ったときに気づくのは難しいですが、まあでも確かに怒ってもしょうがない。




2.人の振り見て我が振り直す

自分自身について、何か(我ながら)問題だなあ、と思いながらも放置している「問題」ってあるじゃないですか、誰でも。役所に提出しないといけない書類とか。英語力向上とか。自転車のパンクとか。要らない植木鉢とか。

やってしまえばいい、根本的な対策を取ったらいい。そう分かってるのに、そうしていないこと。誰にでもあります。そう考えるとロンドンの地下鉄の自動改札機が常に壊れていても、あまり腹を立てず、(ま、オレも一緒か(笑)〜)と笑い飛ばせます。

相手に不満を感じたり文句を言ったりする前に、まずは自分自身を振り返り、何か改善出来る点が無いか、を考えてみる。まあ、それをやり出すと改善出来る点は必ずあるわけで、一生文句や改善要求を出せなくなりますけどね。



3.一矢報いる 
(一言言ってみる) 

ときには勇気を出して何か言ってみたいものです。

例えば、いくつか前の記事で紹介した、エジンバラのホテルのフロント係。「朝食込みか、込みではないか」で、言った・言わないみたいな話になったとき。
サービス業に従事していながら、自分たちの主張を繰り返すだけで、一切利用客の身になって考えない人たちに対しては、

Are you interested in the customer’s perspective?

と聞いてみたい。「客の視点に興味ありますか?」、と。
言い換えると「お客さんの意見を聞きたいですか、聞きたくないですか?」ということ。必死にホテル側、交通機関側の主張を繰り返していた職員は、きっと一瞬キョトンとするに違いありません。

この問いに対する回答は、本音では「興味無い」、「聞きたくない」ということなんでしょうが、さすがにそれは言えない。だから「お客さんの意見に興味があります」と言わざるを得ないので、そう言って頂いた上で、「じゃあご説明しますね」と説明する。イヤな客ですね(笑)。
別に、実際にこうしようとは思いませんが、あくまでも考え方として、というか、自分の頭の中での問答として、こういうことを考えることがある、ということです。

もう一つ、トラブル時に「一矢報いる」なら大事にしたいのは、「私はあなた(職員の人)個人に対して文句を言っているのではない。あなたの会社、あなたがその一部を構成しているそのシステムに対し文句を言い、改善要求を出しているのだ。」ということを明確にすることです。そうしないと、職員はすぐに「私に言われても困る。I am doing my best」と言い残してパブに行ってしまいます。
もっとも「あなた個人にではなく、あなたがその一部を構成している会社/システムに文句を言っているのだ」と言ってみたところで、「じゃあ、僕じゃなくて会社に言ってくれ」という話になるに決まっていますが。

以上見て来たように、トラブル発生時に「一矢報いる」、つまり何か一言チクリと言ってやる、というのはあまり有効な対処法とは言えなそうです。
あと、実際にトラブル本番中は、こっちも冷静さを失っているので、うまいこと一矢報いる発言を思い付かないんですよね。たいてい後から、落ち着いた状態になって初めて(ああ言えばよかった・・・)と思うことが多いです。



4.イギリス人の意識を変える

イギリスに日本からの宣教師として乗り込み、イギリス人のメンタリティーを変えてやる、ということは出来ないものでしょうか。


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実際、イギリスに進出する日本企業は、どこもこの問題に直面しているのだろうと思います。いや、イギリスだけでなく、欧州、そして世界の多くの国でも同じことが起きているでしょう。

この問題、すなわち「「問題」というものに対するスタンスの違い」という問題に対し、日本企業が取り得る戦略は大きく2つあると思います。まず思い付くのは、サービス、あるいは製品のクオリティ・レベルを(日本でのそれと比べて)引き下げる、ということです。郷に入っては郷に従う、ローカライゼーション戦略とも言えるでしょう。
一方で、あくまでもジャパン・クオリティを提供するんだ!と考えるのであれば、サービスや製品を提供する現地従業員の意識を根本から変える必要があります。

イギリス人職員が、

誤 「とにかく一刻も早くパブに行こう」
正 「業務終了後、スタッフミーティングを開いて、今後の再発防止策を話し合おう。パブに行くのはその後からでもいいではないか」

と思うよう、意識を変える必要があります。



5.これは長所の裏返しなのかもしれない、と考える

トラブルに迅速に対処し、そして再発防止策を徹底する、そうした行動様式を良しとする、そんな我々日本人のスタンスが正しく、イギリス人のそれが「間違っている」のか。確かに「問題解決」および「再発防止」を考えたら日本人のスタンスの方が優れている気もしますが、それによって失われているものは無いのか。言い換えると、イタリア。イタリア人はいい加減です(笑)。それに対し日本人は「ちゃんとしている」わけですが、日本からはフェラーリのデザインは生まれにくい。「ちゃんとしている」ことの見えないコストはなんなのか、そしてそれはどれぐらいのコストなのか、に興味があります。

もっとも、故障した場合にすぐ修理する、とか、今後は故障しないように再発防止策を考える、といった行動は、その人、その会社、その国の良さを失わずに取ることが可能なのではないか、とも思いますが。



以上、8つの記事に渡り、イギリスの「問題」についてあれこれ考えて来ました。
お読み頂いて分かる通り、結論の無い話で恐縮ですが、それだけ多面的で、かつ深いテーマなんだろうな、と思います。
今後、また考えが変わったり、視野が広がったりしたら、追加で記事を書いてみたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。

(とりあえず完)

by dantanno | 2018-07-31 10:49 | 提言・発明 | Comments(0)

イギリスの「問題」を考える⑦: ポジティブな面

最初の記事はこちら

「問題」というのは不思議なものです。

それにポジティブな気持ちで向き合おうと思い、「問題点は何か」そして「なぜそのような問題が起きるのか」みたいなことを考え、言い始めると、途端にネガティブなトーンになりがちです。
それに対し、「いろいろ問題があってもいいじゃないか!気にせず、前を向いていこうぜ!」と言えば、ものすごくポジティブな感じがします。それだと問題は解決しませんが。

そう考えると、確か坂上忍がどこかで言ってたんだけど、「僕はネガティブな人間です。そして、ネガティブなのは必ずしも悪いことではないと思う」というのが(本当にそうだなあ・・・)と思います。

ときどき思うんですが、ポジティブ/ネガティブって例えば「北半球/南半球」とか、「白人/黒人」とかみたいに、なんかたまたまそうなっただけなのと、あと実はどっちがよくてどっちが悪いみたいな話でもないのではないか、と思います。実はどっちでもいいんじゃないか、と思います。レストランに食べに行って、「このレストランのここがすばらしい!」みたいなことばかり思い付く人と、「ここをもっとこうした方がいいのに・・・。あ、床が汚れてる」みたいに感じる人の間に優劣は無く、単に視点のベクトルが違う方向を向いているだけのような気がします。どっちも社会には必要であり、一方がもてはやされて一方がけなされるのだとしたら、それはおかしい。

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実際、「こんな戦争、もうやめよう!」はすごく「ネガティブ」だし、「ガンガン他国に攻め込もう!」はすごく「ポジティブ」ですからね。世の「ポジティブ礼賛、ネガティブは悪」という風潮は行きすぎており、なんとかしたいものです。

とは言いつつも、問題点を扱うこのブログ記事は確かにネガティブ・センチメントになりがちで、それだとせっかく読んでくれている読者に悪いので、ここでちょっとポジティブな話をしようと思います。

イギリスの交通機関の「いい面」は何か。

  • 地下鉄がすぐに来る。日本だと、ちょうど電車が行っちゃったときにホームに着くと、次の電車は7分後、とかは全然普通にあることですが、こっちだとすぐに次の電車が来る。だから駆け込み乗車が少ない、なんてこともあるんでしょうか。ラッシュ時でもないのに次の電車がすぐ来る、っていうのは一体どういう仕組みなんだろう。すごいなあ、と思います。

  • バス網が便利。都内だとなかなか「バスを使って移動」ということになりませんが、ロンドンではかなり便利な交通手段です。例によってすぐ来るし(笑)。

  • イギリスの国鉄。総じてイギリスの国鉄はステキです。座席が、京浜東北線とかではなく、東海道線(結構好き)や横須賀線(超大好き)のボックス席みたいになっていて、ちょっとした移動でも「旅する感」を存分に味わえます。

ということで、珍しく「ポジティブ」な内容を書いてみました。
書き始める前の予想通り、書いていて(+読んでいて?)多少気持ちよくはなるものの、まあ毒にも薬にもならないというか、あまり意味の無い記事に仕上がりましたね。そりゃそうだ。通訳だって、「あなたの通訳のここがいい」と言い合うのは気持ちいし楽しいけど、一番重要なのは「今の訳だと聴き手にはよく伝わらない」とか、「改善出来る点はここだ」を指摘し合うことだと思います。やはり「ポジティブ」は礼賛されすぎている。

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さて、次は終章「トラブルへの対処法」という、これもややポジティブ目な内容で締め括りたいと思います。

<続く>

by dantanno | 2018-07-17 17:01 | 提言・発明 | Comments(0)

イギリスの「問題」を考える⑥: 不思議に思うこと

最初の記事はこちら

前回と前々回の記事(連載の④と⑤)で、職員サイドのメンタリティーについて考えた。
今回は、それに対し自分が乗客サイドとして不思議に思うことについて書いてみたい。



1.なんで飛行機が(もっと)落ちないんだろう

ロンドンのヒースロー空港で飛行機に乗り込む度に思うこと。
職員たちがこんなにいい加減なのに。こんなにテキトーなのに。こんなにチームとしての統率が取れておらず、とにかく早く仕事を投げ出してパブに行くことだけを考えている(?)のに、なんで飛行機がガンガン落ちないんだろう。

自動改札機はぶっ壊れてるし、エスカレーターもエレベーターもぶっ壊れてるし、電車そのものや、それを運行するための信号機をはじめとするシステムもいつも壊れている。と考えると、飛行機も「すみません、壊れちゃいました」となっても不思議ではない。それが地上で起きてくれる分には構わないが、空中で「壊れちゃいました」だと困るんだよな〜、と思うんですけど、特に目立ったトラブルも無く運行出来ているのが不思議。

いくつかの仮説が考えられる:
・こっちの人は基本的にいい加減だが、命にかかわることについてだけはいい加減ではなく、ちゃんと対応している?
・僕が街で目にする「いい加減」な職員はごく一部であり、例えば飛行機の整備士の人たちとか、その他大勢の人たちはちゃんと、日本と同じような仕組みのもとで働いている?
・飛行機のメーカーが元々ちゃんと作ってくれているので、メンテナンス側があまりちゃんとメンテしなくても大丈夫なようになっている?

分かりませんが、飛行機に乗る度に毎回不思議に思っています。



2.イングランド戦のときはあんなに燃えるのに

昨日、ワールドカップ準決勝の、イングランド 対 クロアチア戦が行われました。
試合見たさのあまり、電車の運転手たちがこぞってサボってしまい、電車の運行に支障が出たとか出ないとか。そして、ちょうどその時間帯にロンドンのオフィス街と官庁街を通ったんですが、心なしか街はいつもよりも閑散としている気がしました。で、みんなどこにいるかというと、そう、もちろんそうですよね、パブです。パブでパブリック・ビューイングしているわけです。
そして、イングランドが点を決めたときときたら、その歓声、その盛り上がりはハンパない。
イングランド戦だけでなく、地元チェルシーとかリバプールとかマンチェスターのサッカーの試合での盛り上がりぶり+フーリガンぶりもハンパない。

それを見ていて思うのは、(自分が所属する会社にはこれっぽっちも愛社精神、チーム意識を感じず、例えばBritish Airwaysの職員であれば、他部門が起こしたシステムトラブル等の問題についてつゆほどの責任も感じないのに、なんで「国」あるいは「町」という単位になるとここまで一体感を感じられるんだろう、この人たちは)ということ。「国」というのは、その人がたまたまそこに生まれただけで、自分でその国を選んだわけではない(少なくとも多くの人にとっては)のにたいし、「会社」というのは自分が選んでそこに入ったわけで、そういう意味では会社の方が国よりも「そこに所属している感」を感じやすいのではないか、と思うんですけどね。

これは単に単位というか大きさの大小の問題で、「会社」という単位では一体感、所属している感を感じにくいけど、「国家」という単位だとそれを感じやすい、イギリス人はそういう性質なんだ、ということかもしれませんね。一方日本人は「会社」みたいな単位だとしっくり来るけど、イギリスほどは「国家」という単位がピンと来にくい、という面もあるのかもしれません。

あるいは、国への忠誠心、所属している感などについては幼少期からの「洗脳」ですり込まれているのに対し、会社に対するそれは大人になってからの話なので、すり込まれにくいのかもしれませんね。



3.これが、結構いいヤツだったりする(笑)・・・

「何日に行く」と言ってたのにその翌日にノコノコやって来る配管修理のおじさん。
(なんていい加減なんだ!)と腹が立つわけですが、会って話してみると、これが結構いいヤツだったりして、憎めないんですよね(笑)。

地下鉄でも、ぶっ壊れた自動改札機にもたれかかってスタバ飲んでる職員を見て腹が立つわけですが、その人が "Good morning, have a good day♪"みたいに言ってくるとついつい "You too♪"みたいになって、全て結果オーライな感じになってしまう。



4.プライドは無いのか?プロ意識は無いのか?

って思いますよね、日本人からすると。
自分の仕事に誇りを持てて、それを「自分のこと」と思えるのは、実はとても幸せなことなんだなあ、と感じます、ロンドンにいると。

一方、1.で書いた通り、仕事に対する責任感の無さは、いわゆるブルーカラーの、それもごく一部の人たちだけにあてはまることなのかもしれません。それがたまたまユーザーとして頻繁に目にしやすい駅の職員とか、空港のチェックインカウンターのスタッフだったりするのかもしれない。そして、忘れてはいけないことですが、そうした職員/スタッフの中にもちゃんと責任感をもって、いい仕事をしている人たちがいる、ということ。たまにそういう人に出くわすと感動を覚えます。そういう80/20の法則ではありませんが、そういう一部の人たちが残りの(大部分の)人たちのいい加減さを補って余りある働きをしているのかもしれません。



さて、次回の記事(ラスト)では、こうした故障、トラブル、遅延、そしてその根底にある職員サイドのメンタリティーを受け、我々利用者、特に日本人の利用者がどう対応すればいいのかについて考えてみます。

<続く>

by dantanno | 2018-07-13 15:04 | 提言・発明 | Comments(1)

イギリスの「問題」を考える⑤: 職員サイドの証言に見る、彼ら・彼女らのメンタリティー(後編)

(最初の記事はこちら

このテーマについて、毎日ブログを連載するつもりが、なにせ半分イギリス人なもので、ついちょっと間が空いてしまった。再開します。

前回の記事で、利用客が職員に意見/文句を言った事例、そしてその意見/文句に対する職員側の反応と名語録を紹介した。日本では、職員サイドのこのような対応・反応は考えられない。イギリスの職員のこうした対応の裏にある背景や考え方は何なのか。それら事例に共通するメンタリティーとは何か。

いくつか、共通項的な、カギとなるポイントがある気がするので、それらについて考えてみる。
重複する内容もあるが、構わず書いてみる。
ちょっとグチっぽくなるが、今回の連載の目的はあくまでも「グチ」ではなく、ポジティブに考えることであることを忘れずに読んでいただきたい。




<謝らない>

とにかく謝らない。もう、逆に感心するほど謝らない。

なぜ謝らないのか。
悪いと思っているけど謝らないのか、あるいは、悪いと思っていないから謝らないのか。

1.悪いと思っているのに謝らないケースもあるだろう。謝ったら負けだと思っているのか?謝ってしまったら、非を認めたことになるから?(っていうか認めようよ、って話だが(笑))、だから謝らないのか?日本であれば、悪かったときに「ちゃんと謝ることができる人」がかっこいい/男らしい、とされているが(注:戦争中にやった「悪いこと」はちょっと例外)、イギリスではそうではないのか?

2.悪いと思っていない? → 悪いと思っているのに謝らないのではなく、そもそも悪いと思っていない可能性がある。なぜ悪いと思わないのか、については以下の各項目でそのメンタリティーを考える。



<言い訳をする。逆ギレをする>

「謝らない」と関連する項目。
英語でDefensiveという表現があるが、まさにそれ。客から何か意見/批判を受けたとき、「そうか、客はそう思うのか、なるほどなあみたいに参考にすればいいものを、そうではなく、客からの意見/批判を「攻撃」と感じ、それに対して必死に防戦してくる。「なにを?!こっちの立場はこうだ!!」と反論してくる。クレームは改善のチャンス、という意識はみじんも感じられず、いかに批判を受け流したり、あるいは上手に反論するかに命をかけているかに見える。



<Defensive>

空港の入国審査ゲートとか、いろいろなところに We will not tolerate abuse みたいな張り紙がしてある。tolerateは「許容する」、abuseは「侮辱、ののしり, 悪態, 暴言」といった意味だ。つまり「ことばの暴力」のような意味だが、abuseにはphysical abuse、つまり肉体的な暴力も含まれる概念だ。
いろんなところにペタペタと貼ってある We will not telerate abuse は要するに、怒った乗客が職員に対し罵詈雑言をはいたり、ときには肉体的な暴力をふるうことを事前に阻止する狙いがあるのだろう。腹を立てた利用客が職員をAbuseすることは許されませんよ、ということ。確かに攻撃的な客もいるのだろう。職員もかわいそうだ。

もちろんAbuseはいけないが、でも、相当強い不満があるからついつい攻撃的になってしまうわけだ。それだけ傷ついている、それだけ怒っている、ということだ。攻撃的な客を責めるのもいいが、まずは自分たちの非を認め、客をそこまで怒らせないための対策を考えるべきではないか。



<組織への帰属意識の無さ → 自分の責任の範囲外>
例えばブリティッシュ・エアウェイズのシステムトラブルで大量のキャンセルが出たとき、「すみません、ウチのIT部門がヘマをしまして・・・」とは絶対にならない。そんなこと言わないし、全然思っていない。むしろ、オレたちだって被害者だ!ぐらいに思っている(笑)。「本当だったら、もうとっくにパブに行けていたはずの時間なんだ。それなのに。。。オレだって困ってるのに、そんなオレに文句を言うとは何ごとか!」ぐらいに思っている。
上記「言い訳/逆ギレ」の項目とも関連。

同じ組織だから連帯責任だ、という意識は皆無。手は、足がやったことに責任を感じない。サッカーのイングランド戦とか、地元のFootballクラブの試合では「組織の一員」としてあんなに燃えるのに(笑)、なぜ仕事においては組織/チームへの帰属意識を感じないんだろう。

そして興味深いのが、「それは自分の責任の範囲外だ」というのであれば、じゃあ、自分の責任の範囲内のことは責任をもってしっかりやるのかと言えば、意外とそうでもないからタチが悪い(笑)。



<他人事>
以前、アムステルダムからロンドン(ヒースロー空港)に向かうフライトが出発直前になってキャンセルになり、その1時間後の、かつ予定されていたヒースロー空港ではなくロンドン・シティ空港行きに振り替わったときがあった。多くの乗客がフライト・キャンセルの影響を受けていたこともあり、乗った機内のアナウンスで、CAさんがそれについて一言言ってくれた。それはいいのでが、その内容がWe are sorry to hear that your flight has been cancelled、つまり「フライトがキャンセルになって残念でしたね、大変でしたね」みたいな内容。ここでの”We are sorry”は「ごめんなさい」ではなく「ご愁傷様」に近い意味で、謝罪ではなく同情の“Sorry”だ。つまり、「ウチの会社(この場合はKLM社)がご迷惑をお掛けしてすみません」とは思わないのだ。だから、悪びれもせず、謝りもしないのだ。

労働者意識なんですかね。自分はしがない一労働者で、「会社」とはまったく別物です、と思っているような印象を受けます。




<We are doing our best。 仕組み化しよう、という発想の欠如
その場しのぎの対症療法短期志向なのだ。喉元過ぎれば熱さを忘れる、なのだ。

今、自分にできることは何か。それを考えるのはすばらしいが、それだけではいけない。再発を防ぐには、仕組みから変えることが必要だ。でも、仕組みの問題点を指摘しても、「今それを言ってもしょうがないでしょ、今は目の前の問題に集中しましょうよ」と、一見もっともなことを言ってくる。「今はとりあえず目の前の問題に対処して、来週のスタッフミーティングで今後の対応策を考えよう」とはならないのだ。「目の前の問題に対処して、定時になったら近くのパブに行こうとしか考えないのだ。




<There is nothing we can do>

無常感ですよね。
村上春樹さんが、自身の作品の授賞式で行ったスピーチで、日本人は無常と共に生きている、といった話をしています。確かにそうだな、と思うわけですが、イギリス人だって無常感がハンパない。これは There's nothing I can do を繰り返す職員サイドもそうだし、それを受け「ま、しゃないか・・」とあきらめる乗客サイドもそうです。

職員の、「システム上、今の自分に出来ることは何も無いのだ」という姿勢。これで完全にDoneです。完全なる思考停止。他に何かすべきことがあるなんて思いもよらない。前の項目とも関連するが、「翌週のスタッフ・ミーティングで、、、」とはならない。スタッフ・ミーティングなんてやっていないんじゃないか(笑)、そもそも。

確かに「今出来ること」は限られているのかもしれないけど。だったら、今はもういいから、明日以降、根本的な対応を考えましょうよ、そうしないとまたこういうことが起きますよ、と言いたいのだが、言っても伝わらないだろう。




<We value your feedback。 ご意見をお寄せください>
これはもう笑っちゃうしかないのだが、こっちの提言・意見・不満に対し全力で逆ギレをしたくせに、 We value your feedback(ご意見をお寄せください) などとしおらしく言ってくる。トラブル続出のくせにアンケートを強要してくる(笑)。こちらからすると、(いやいやいや(苦笑))という話だ。「フィードバックくれ」って言うけど、さっき駅で「フィードバック」を駅員に伝えたら、逆ギレ・言い訳・責任転嫁のオンパレードだったじゃないか。それが今さら「フィードバックしろ」なんて、一体どの面下げて・・・、っていう話です(笑)。

これ、思うんですけど、恐らくシステム上は「乗客のフィードバックを吸い上げる仕組み」というのは組み込まれているんだろうと思うんですよ。会社の方針としてはそういうタテマエになっているし、きっとそういう部門もあるんだろうし、マニュアルももしかしたらあるのかもしれない。問題は、その仕組みが個人レベルで全く機能していない、という点です。

一方日本の場合、会社のタテマエ的な仕組みが、個人のレベルでもある程度機能している。シンクロしてるんですね。それが大きな違い。




以上、トラブル時の乗客からの不満の声に関する、職員側の逆ギレ集から抽出できる職員らのメンタリティーについて考えて来た。

本連載もそろそろまとめに入る。

<明日以降に続く>

by dantanno | 2018-07-02 22:52 | 提言・発明 | Comments(0)

パスポートなんていらない

アムステルダムで、アンネフランク・ミュージアムを訪問。

「ユダヤ人だから」という理由(いや、「理由」になんかなっていない)で迫害を受け、殺された人たちのことを思い、多くの訪問者がそう感じるであろうように、「こんなことは絶対に繰り返してはいけない」と誓う。

その足で空港に。

出入国審査カウンターに行くと、持っているパスポートによって、2つのグループに分けられる。
一方はスイスイ進む列。
そしてもう一方は、「それ以外のパスポートの人はみんなこっち」と、長時間待ちの列に並ばされている。

どのパスポートか次第で、全く異なる扱い。なんだ、全然歴史から学んでないじゃないか(笑)。やってることが同じ。


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世の中は間違いなくいい方向に向かっていますが、まだまだ出来ること、改善すべきことは多い。

とりあえず出入国審査に関して言うと、「クルー最優先 → 次に自国民 → 最も悪く扱うのは外国からのお客様」という構図を逆転させるべき。それが「おもてなし」。やろうと思えば明日からでも出来る。

あ、順番を逆転させただけだと、不平等のままか。
じゃあ、全員一列で。

by dantanno | 2018-07-02 17:02 | 提言・発明 | Comments(0)

イギリスの「問題」を考える④: 職員サイドの証言に見る、彼ら・彼女らのメンタリティー

(最初の記事はこちら


筆者はチキンである。小心者である。

だから、ロンドンの交通機関において故障や遅延などのトラブルに直面した際(つまり毎日)、内心憤っていても、表面上はおとなしく受け流している。文句を言う勇気など無い。

しかし、そんな筆者でも、ときどき、勇気を出して、職員に何かしら「言ってみる」ことがある。

また、筆者が何か言いたいのに言えずモジモジしていると、他の、筆者よりもはるかに勇気ある乗客らが職員に抗議をしたり、疑問の声を投げかけたりするのを多々目撃もしてきた。

ーーー

そうした乗客からの声に対する職員側の反応が、これまた実に興味深い。その反応から、彼ら・彼女らのメンタリティーが垣間見える、そんな貴重な「資料」のような気がするし、そのメンタリティーが「原因Y」、つまり故障時の初期対応、再発防止策および日頃の点検・整備の欠如につながっている気がするので、ここでいくつか事例を紹介した上で、そのメンタリティーを分析する。



<事例紹介>

事例① ヒースロー空港での自動チェックイン機

自動チェックイン機は結構便利なので、よく使っています。日本にもありますよね。特に、預ける荷物が無いときに便利ですよね。

この事例が起きた時は、自動チェックイン機が10台ぐらい並んでいて、たまたま僕が選んだ機械が調子が悪くて、うまくボーディングパスを出せなかったんです。で、隣の台に移って再度やってみたら、スムーズに発券できました。

ちょうど、近くにエアラインの担当者のおじさんが立っていたので、あくまでも親切心で、僕が最初に当たった機械が調子悪いことを教えてあげたんです。結局無事に発券できたし、僕としては全然不満に思ってもいなかったので、クレーム的な言い方ではなかったと思います。あくまでも「ご参考まで」的に、親切心で教えてあげようとしたんですよ。

僕 「あの〜、この機械、調子悪いみたいですよ」

それに対するおじさんの返しがふるっている:

「You can use the other machines (だったら他の機械を使えばいい)」

いや、まあそうなんですけどね。。。
これが事例①。



事例②: バスの「突然全員降りて」

これ、ロンドン・バスに乗っていると結構よくあることです。
どこどこ行きのバスに乗っていると、まだぜんぜん目的地(終点)に着いていないのに、突然アナウンスが流れ、「このバスはここで停まることになった。全員降りて」と言われるんです。返金とかも別になし(降ろされたバス停で次のバスを待ち、乗り込んだ際、「前のバスに降ろされた」と言えば無料で乗れる仕組み)。
恐らくダイヤの都合とかだと思うんですが、そういうことがよくある。

僕を含め、ほとんどの乗客は「えーーー」とか言いながらしぶしぶ降りるわけですが、中には運転手に食ってかかる乗客もいます。
先日、一人の女性が食ってかかっていました。

女性 「急に「突然降りろ」なんてひどいじゃない。そういうことなら、乗るときとか、もっと前に言っといてくれれば心づもりも出来るだろうに。いきなり言うなんておかしい!」

と、実にごもっともなことを言い出しました。筆者を含め、乗客たちはみな心の中で(そうだそうだもっと言ってくれ・・・)とうなずきながら、見て見ぬフリをしながら運転手さんの対応を見守ります。すると、

運転手 「オレだって今知らされたばかりなんだ!There's nothing I can do (どうしようもないじゃないか)」

それで一件落着(笑)。

(ちなみに、運転手のその回答を受け、女性に言ってほしかったのは、「別にあなた個人を批判・攻撃してるんじゃないのよ」ということ。
「あなた個人ではなく、あなたが属している会社、そしてそのシステム、仕事のやり方、それを批判してるの。それをなんとかしてちょうだい」と言ってくれればよかった。
まあでも、それに対し運転手は「会社に対する文句をオレに言われても困る。オレは一運転手にすぎない、There's nothing I can do」と返すに決まってますけどね。結局ナッシング・アイ・キャン・ドゥという、脱力系の結論になるわけです。)



事例③: ブリティッシュ・エアウェイズの大量キャンセル事件

以前、結構大きなニュースにもなったんですが、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)でシステムトラブルが発生し、その日と翌日のフライトのほとんどが大幅な遅延、あるいはキャンセルになるというハプニングがありました。
僕はちょうどその日、幸運にも(?)BAのフライトに乗ることになっていて、混乱のピークのさなか、ヒースロー空港のBAのラウンジにいました。幸い、僕のフライトは奇跡的に多少の遅延ですみ、ほぼ定刻通りに出発予定でしたが、他の乗客たちは大変です。ラウンジ内の画面を見ると、ほとんどのフライトがCancelledと表示されています。ラウンジ内のBAカウンターに詰め寄る客たち。それに対し、BA職員が執拗に繰り返していたアナウンスが以下の2つ:

"There is nothing we can do"
"We are doing our best"

"There is nothing we can do"は、一つ前のバスの運転手さんが言っていたことと一緒で、「自分らにはどうしようも無いんです」みたいな意味。

そしておもしろいのが "We are doing our best"だと思いました。「我々だってベストを尽くしてるんだ!」みたいなニュアンスでしょうか。

以前、日本で食品系のスキャンダルがあって、問題となった会社の社長が「私だって寝てないんだ!」と叫んで相当叩かれていましたが、それと同じ系統の発言でしょうか。当時、僕はすごくその社長にシンパシーを感じたものですが、日本の世間様からの叩かれようはすごかったですね。そういう意味では、僕も "We are doing our best"的な、イギリス的な考え方を理解する側面があるのかもしれません。




事例④: ホテルの朝食込み?別?事件

エジンバラのホテルに宿泊したときのこと。
そこはIRでよく泊まるホテルなので、ある程度勝手が分かっていました。で、いつも朝食は料金に含まれていないので、今回もそうだろうな、と思っていたら、フロントの女性が "Breakfast is included" みたいなことを言う。で、彼女が見せてくれた僕の宿泊台帳(?)みたいな紙のBreakfast欄を見てみると、「Included(込み)」の横の四角いボックスが蛍光ペンでしっかり塗りつぶされており、Not included(朝食別)の四角は空欄のままになっていました。

(へえ、朝食込みなんだ、珍しいな、うれしい♪)と思い、翌朝朝食を食べ、チェックアウトしようとすると、朝食代を払え、と言う。

いや、朝食「込み」って言われたから食べたんだけど、と説明(朝食代が「別」だったら食べなかった、というのも我ながらなんだかせこい話だな、と思いつつ)。それに対し、いや、込みなんて言ってません、込みじゃないです、の一点張り。
「ほら、宿泊台帳を見て」と言われたので見てみると、やはり、"Breakfast (included)"の真横の四角が蛍光ペンで塗りつぶされています。「朝食「込み」の四角が塗りつぶされてますよね、昨日これを見ながら説明を受けました」と(チキンながらも)一定の自信をもって僕が言うと、

 「この蛍光ペンは、朝食(込み)の四角が空欄であることを強調するために塗ってあるのよ。ほら、実際、四角にチェックは入っていないじゃないですか」

と猛反発。頼むからまぎらわしいことはしないでほしい(笑)。

その後も、ホテル側の主張をひたすら繰り返すだけ。

僕としては、別に大した金額じゃないし、払うのがイヤなわけでもないんですよ、別に。ただ、チェックイン時に「朝食込み」という印象を受けたこと、結局それは違っていたわけですが、実際そういう印象を受けたのは事実であること、を伝えたいだけなんですよね。だから、ホテル側が「分かりました、ウチの説明の仕方も分かりにくかったかもしれませんね」とかなんとか、それっぽいことを言ってくれればこっちもおさまるし、それで僕がホテル側の要求通り代金を支払えば、僕的にはそれでよかったわけです。でも、譲歩は一切なし

僕も、なんだかアホらしくなってきたし、もしかしたらチェックイン時に僕が聞き間違えた可能性ももちろんあるわけだし、要求通り朝食代を支払って一件落着。

ーーー

さて、4つの事例を紹介しましたが、いかがでしょうか。
日本で、職員・店員側のペコペコ対応に慣れているクレーマーやモンスター・ペアレントたちが目の当たりにしたら、驚愕すること間違い無し。

そうだ!
クレーマー化、モンスター・ペアレント化してしまった自分をなんとかしたい、もう一度正常に戻りたい、と思っている人は、ロンドンの地下鉄に乗ったらいい。全てが壊れているから。で、そのことについて駅職員に文句を言ってみたらいい。僕が通訳するから。あまりのカルチャーショックに、それまでの(日本での)クレーマーぶりはふっとび、一気に仏の心を手に入れられるでしょう。

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余談はさておき。
↑で見て来た職員サイドの発言・対応から透けて見える、その根本的メンタリティーは何か。それをいくつか抽出してみたいと思います。

(明日に続く)

by dantanno | 2018-06-26 00:32 | 提言・発明 | Comments(0)

イギリスの「問題」を考える③: 「なぜ?」を繰り返す

(最初の記事はこちら

イギリスの、機械の故障や交通機関のトラブルは、なぜ起きるのか。

なぜ故障するのか。
なぜトラブルが発生するのか。

故障やトラブルは、言ってみれば表面的な問題である。そうした表面的な問題を引き起こしている、その裏にある「原因」が何か存在する。その「原因」が、より本質的な問題。それをXとする。

そして、その本質的な「問題」Xにも、それを引き起こしているさらなる原因「Y」がある。「なぜXなのか」に対する解Yである。これはさらに本質的な問題である。

で、さらに「なぜYなのか」と考えると、実はYの裏にもZという、さらなる問題があったりする。


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こうやって「なぜ?なぜ?」と考えるプロセスは、トヨタでの問題改善プロセスと似ている。
なぜ故障・トラブルといった問題が起きるのか? → Xだから → なぜXなのか? → Yだから → なぜYなのか? → Zだから、といった具合に。

ーーー

さて、イギリスで発生する故障・トラブルそのものについての概観は済んだので、さっそく、1つめの「なぜ」にとりかかろう。
表面的な問題である故障・トラブルを直接引き起こす、最初の原因Xは何なのか。故障・トラブルはなぜ発生するのか。

ーーー

「故障・トラブル」は必ず起きるものだ。それは仕方がない。大事なのは、

1.故障・トラブルが起きてしまったときにどう対応するか、そして
2.今後、再発しないようにはどうすればいいのか、だ。(2.には、再発防止策の策定はもちろん、日頃の、故障が起きる前からの予防的メンテナンスなども含まれる。)

イギリスにおける「故障・トラブル」というものを考えてみると、上記2つのステップ、その両方において「問題」があることが分かる:

1.故障・トラブルが発生する (表面的な問題)
2.(発生した故障・トラブルが)なかなか解決しない。解決されないまま放置されている。解決に時間がかかる (その場での対応上の問題)
3.仮にその場では何らかの対応が取られたとしても、その後の本質的な再発防止策が取られない。また、日頃からの点検・整備などもちゃんと行われない。 (そのあとの対応上の問題)
だから、
4.(一旦解決した故障・トラブルが)再発する。再発どころか、それ以降もずっと頻発し続ける → 1.に戻る

ーーー

ロンドンの地下鉄の自動改札機を見ていると、なるほど、実に分かりやすい。

1.自動改札機が壊れる。
2.壊れた自動改札機が、修理されず、壊れたまま放置される。駅職員が、壊れた自動改札機にゆったりともたれかかり、同僚と楽しそうに談笑している
3.再発防止策?点検・整備? What is that? I don't know 四字熟語 (笑). Hahahahahahaha!
4.3日かけてようやく修理された自動改札機が、3秒後にすぐまた壊れる → 1.に戻る

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イギリスですさんでしまった僕の心を癒すために、再び、日本における「問題」への対処法を振り返りたい。何か問題が起きると、

1.その場での短期的な対応(応急対応)
2.その後の長期的な対応(再発防止策)

の両方が行われる。
一方イギリスは、その両方が実に弱い。

さて、それでは次の「なぜ」に映る。
もう一段思考を進め、原因Xの次の原因「Y」について考えてみる。

なぜ応急対応がすぐに行われないのか。なぜ再発防止策がとられないのか。なぜ日頃の点検・整備がおろそかになるのか。

(明日に続く)

by dantanno | 2018-06-25 04:55 | 提言・発明 | Comments(0)

イギリスの「問題」を考える②: 日本との比較

(前回の記事はこちら。)

こうしてイギリスでは故障や遅延などのトラブルが日常茶飯事的に頻発・続発するわけだが、これは日本だったら考えられない。
日本は、その辺は実に「ちゃんとしている」。

故障/遅延はそもそもあまり起きないし、起きても速やかに解決する(ことが多い)。

以前、外国人投資家と話していたら、例によって「日本はスバラシイ」的な話になった。
「食事はおいしいし、安いし(注:ロンドンは高い)、安全だし、キレイだし、、、」
のあとに、
"In Japan, things just,,,, work(笑)"

と言っていた。

この"Things just work"はなかなか深くて、訳しにくいなあ、と思うが、「物事がスムーズに、うまく行く」といった意味にも取れる。

<ミクロ>
機械は正常に動き、電車はダイヤ通りに動く。
宅配便が「何時頃に行きます」と言えば、その通りに来る。(ロンドンの場合、水道配管業者が「何日に行く」と言ってもなぜか来ないことが多い)

<マクロ>
世の中のシステムや仕組みが、大きな問題無く、スムーズに機能している

ーーー

確かにそう、日本では物事が「うまく行く」、すなわち "Things just,,, work(笑)" なのだ。

イギリスを考える前に、まず我らが日本について考えてみたい。なぜ日本では物事が「うまく行く」のか。なぜ機械の故障や、交通機関の運行上のトラブルが少ないのか。

ーーー

日本では、何か「トラブル」が起きると、こう考える:

1.まずは問題に対応する。それがなぜ起きたのか、そして今何をすればいいのか。

そして、あとで(事態が落ち着いてから)

2.今後の再発防止策を考える。なぜ問題が起きたのか、を再度、今度はより詳細に分析し、その上でどうしたら今後再発を防げるのか、を考える。

また、

3.そもそも問題が起きないよう、日頃から点検・整備を怠らない


日本では、このような考え方、そして対応が当たり前。実際、どこまでちゃんとやるかは別として、少なくとも上記のような考え方が「あるべき姿」だという共通認識があると思う。そのおかげで、日本では故障、遅延、フライトキャンセルといったトラブルが少ない。

この前、日本にいるとき、イギリスから来日していた投資家と新幹線に乗った。たまたま数分の遅れが生じていて、そのことを駅員さんが執拗にアナウンスしていた。投資家が「これ、何言ってんの?」と聞くのでその旨伝えると、「数分遅れただけなのにこんな大騒ぎになるなんて、やっぱ日本はすごい」と改めて感心された。「イギリスだったら、遅延や突然のキャンセルは当たり前」とのこと。確かにそうだ。

日本がすごいのか、あるいはイギリスがおかしいのか。いずれにせよ、日本と比べて相対的に、(僕の第二の祖国である)イギリスには何か「問題」がある、と言える。
イギリスの、一体何が問題なのか?

(明日に続く)

by dantanno | 2018-06-24 05:38 | 提言・発明 | Comments(0)

ロンドンの地下鉄の故障から、我々はなにを学べるか

ロンドンで地下鉄に乗ることにしましょう。

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切符売り場に来ました。

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例えば切符売り場の機械が3台あれば、そうですねえ、、、1-2台は壊れています。



「壊れていない」機械で切符を買おうとしてみましょう。
  「システムトラブルにより、ただいまクレジットカードは使えません」
  切符の送出口(?)が壊れていて、うまく出てこない。見えてるんだけど出てこない
  "Need a receipt?" にYesを押したのに用紙切れ。


駅事務所に相談してみますか → ご不在。

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幾多の苦難を乗り越えて切符を買い、自動改札機までやって来ました。

自動改札機が5台あったとして、そうですねえ、2-3台は壊れています。

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稼働している台をなんとか見つけ、無事通過。

すると、エスカレーターが故障中。

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もちろんエレベーターも壊れています。



階段でホームまでたどり着きました。
すると、「電車が壊れたので遅れています」とのこと。当然ですよね。



だいぶ遅れて到着した電車に乗り込みます。
アナウンス 「エアコンが壊れているので、ガマンしてください。水を飲むといいです。」



なんとか目的地の駅にたどり着きました。
そこでも、壊れたエレベーター、壊れたエスカレーター、壊れた自動改札機を通り過ぎ、ようやく地上に着く、という具合。

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ここイギリスでトラブルが発生するのは、なにも地下鉄においてだけではありません。

バスに乗っていると、急に車内アナウンスが流れ、「このバスはここで停まることになりました。ここが終点です。みんな降りてください。さあ、今すぐに」と言われることがちょいちょいある。
飛行機が遅れたり、フライトがキャンセルになるのは日常茶飯事。
国鉄も、故障はもちろん、遅延・運行停止が当たり前。

イギリスに入国する際のeパスポートレーンもすごい。
イギリスのパスポートを持っている人はもちろん、日本人でも事前に登録しておけば使える自動入国審査ゲート。その機械が何台か並んでいるのだが、故障中で使えないものが散見される。
故障していないものを見つけ、いざパスポートを読み取らせようとすると、「うまく読み取れません。係に相談してください」となる。パスポートに何か問題があるのかと思い係員に相談すると、「隣の機械でやってみろ」と言われるのでやってみると、今度はスッとゲートが開く。そして、今自分が通れなかったゲートに次の「犠牲者」(笑)が並ぶ。歩きながら振り返って見てみると、パスポートがうまく読み取られず、係員となにやら話をしている。

ーーー

こうした故障、遅延、キャンセル、読み取り不能。これらは、すべて「トラブル」の一種です。
こうしたトラブルがとても多いんです。



トラブルを嘆いたり怒ったりするだけでは実にもったいない。今回のブログでは、こうしたトラブルから何を得られるか、を考えてみます。



by dantanno | 2018-06-23 18:34 | 提言・発明 | Comments(0)

再生不可能エネルギー

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by dantanno | 2018-04-21 08:47 | 提言・発明 | Comments(0)