KLM

今日一日、オランダのスキポール空港でいろいろ手続きがあって、その間KLMを観察し感じたことを時系列で:



KLM_d0237270_10190327.jpg


・システム、ウェブサイト、そして全体の仕組みが雑すぎて、あらゆるところで例外対応や火消しが頻発


・空港職員がみな、社内のどこか/誰かに内線電話をし、トラブル対応に躍起になっている。誰に電話をしているのか分からないが、かなり待たされていることを考えると、その人(多分キーマン)への電話が殺到しているのだろう。そのキーマンをシステム開発部長に昇進させ、年俸1億円あげてはどうか。


・Sky Team(KLMが加盟するエアライン/マイレージのグループ)の各エアラインがそれぞれ空港内に窓口を置くのではなく、なぜかKLMが一括してそれらエアラインの対応を代行していることも混乱に拍車をかける。日本のエアラインで感じられるような、「私がこの会社の顔です!」的な、自社そして自社の仕組みに対する「強いオーナーシップ」が欠落。なんで私がAlitaliaのゴタゴタに対応せにゃならんのか、という感じがバレバレ。


自動チェックイン機の不具合など、ハードウェアの杜撰さが、ただでさえもややこしい事態をさらにややこしくする。「この機械、壊れてるんですけど」→「①それは私の責任ではなく、機械を作った会社が悪い。②隣の台に並び直せば、事態は全て解決する」


・そんなこんなで、チェックイン等の手続きがいちいち混乱し、そしていちいちものすごく時間がかかる。全部テイラーメードのカスタム対応


・長蛇の列が出来ているのに、何やら楽しく談笑しているカウンター職員と客。何か楽しい話があるなら自分も入れてほしいが、でも事務手続きの後にしたい。


・窓口Aで「窓口Bに行けばすべて解決」と言われたのでBに行くと、「いいことを教えよう。これは窓口Aに行くといい」。出来ることなら窓口AとBの両担当者と自分、計3人でミーティングをし、今後こういう事態が起きないよう根本的な対応策を探りたくなるが、窓口が離れているのでいかんともしがたい。


・さんざんゴタゴタしたあと、各職員の人柄・尽力で、結局なんとかなる。すべてのトラブルを解決出来る「神職員」なおばちゃんみたいな隠れキャラも登場したりする。


・こっち(客)としては、強い焦りやフラストレーション、不安を感じ、ときにもう絶望(←大袈裟w)しかけていたところ、それがなんとかなったもんだから"Oh, great, thank you so much!"となり、先方もドヤ顔で「どういたしまして(笑)」となり、一件落着 → 喉元過ぎれば熱さ忘れる


・喉元を過ぎ熱さを忘れたので、「っていうかそもそもこのシステム/ウェブサイト/仕組みがダメ過ぎるのが問題だよね」と、大元の問題をなんとかしようという発想そしてインセンティブが誰にも生まれない。本質的な問題を考える暇なく次のトラブルがやってくる。


・その日の業務終了後、チーム・ミーティングを開催し、今日起きた問題を共有し、それを本部にフィードバックしてシステム/仕組みの改善に活かす、ということはもちろんされず、提示になったら全員いちもくさんに家族の元や飲み屋に散る


・翌日も①に戻り、すべてのカウンターで例外対応・個別対応の長蛇の列が形成される。


かくしてKLMはKLMであり続ける。


by dantanno | 2021-07-08 10:21 | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


by dantanno