俳優・役者が書いた本を、とてもおもしろく感じる。
今までに読んで、おもしろかった「俳優・役者本」は以下の通り:
1.山崎努さんの「俳優のノート」。
ものごとを決めつけるのはよくない。でも、この本、ほとんどの通訳者がおもしろく感じるはず! そう決めつけたくなる名本。
2.西村雅彦さんの「俳優入門」
多分、本書の一番の想定読者は「俳優を志す人」なんだろうと思うけど、我々通訳者にも役立つ内容。発声法とか、声出しのトレーニング法といった具体的な話も参考になるし、役者としての考え方・哲学もおもしろい。
3.Michael Caineの"Blowing the Bloody Doors Off"
今読んでいる(Audibleで聴いている)のはこれ。あ、どっかで観たことある!なこの人(笑)。非常におもしろい。
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なんで、俳優や役者の方が書いた本をおもしろく感じるのか。
それは、通訳と演技、InterpretingとActingで、似ている部分が多々あるからではないかと思う。
今、サンプルが一人(僕)しか無いので確かなことは言えないが、僕の推測では、恐らく通訳者は(通訳者ではない人たちとくらべ)俳優・役者本をおもしろく感じる確率が高いのではないか、と思う。そして、これまた推測だが、恐らく「翻訳者」よりも「通訳者」の方が、俳優・役者本をおもしろく感じるのではないか。
通訳には、以下のような特徴がある:
「練習(通訳トレ、あるいは予習)」 VS 「本番」のコントラスト。本番の、あのライブ感。話し手になりかわっての「演技」。話(≓台本)を自分なりに解釈(Interpret)した上での、その再表現。会場と一体になり、その「場」のうねりにうまく乗れたときの心地よさ。終わった後の達成感。会場から喜ばれたときのうれしさ。
「訳」と「役」には共通点が多く、通訳者と役者は、お互いの考え方や哲学にシンパシー/エンパシーを感じられるのではないかと思います。
通訳者のみなさん、俳優・役者本、おすすめです(笑)!