(前回の記事は
こちら。)
こうしてイギリスでは故障や遅延などのトラブルが日常茶飯事的に頻発・続発するわけだが、これは日本だったら考えられない。
日本は、その辺は実に「ちゃんとしている」。
故障/遅延はそもそもあまり起きないし、起きても速やかに解決する(ことが多い)。
以前、外国人投資家と話していたら、例によって「日本はスバラシイ」的な話になった。
「食事はおいしいし、安いし(注:ロンドンは高い)、安全だし、キレイだし、、、」
のあとに、
"In Japan, things just,,,, work(笑)"
と言っていた。
この"Things just work"はなかなか深くて、訳しにくいなあ、と思うが、「物事がスムーズに、うまく行く」といった意味にも取れる。
<ミクロ>
機械は正常に動き、電車はダイヤ通りに動く。
宅配便が「何時頃に行きます」と言えば、その通りに来る。(ロンドンの場合、水道配管業者が「何日に行く」と言ってもなぜか来ないことが多い)
<マクロ>
世の中のシステムや仕組みが、大きな問題無く、スムーズに機能している
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確かにそう、日本では物事が「うまく行く」、すなわち "Things just,,, work(笑)" なのだ。
イギリスを考える前に、まず我らが日本について考えてみたい。なぜ日本では物事が「うまく行く」のか。なぜ機械の故障や、交通機関の運行上のトラブルが少ないのか。
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日本では、何か「トラブル」が起きると、こう考える:
1.まずは問題に対応する。それがなぜ起きたのか、そして今何をすればいいのか。
そして、あとで(事態が落ち着いてから)
2.今後の再発防止策を考える。なぜ問題が起きたのか、を再度、今度はより詳細に分析し、その上でどうしたら今後再発を防げるのか、を考える。
また、
3.そもそも問題が起きないよう、日頃から点検・整備を怠らない
日本では、このような考え方、そして対応が当たり前。実際、どこまでちゃんとやるかは別として、少なくとも上記のような考え方が「あるべき姿」だという共通認識があると思う。そのおかげで、日本では故障、遅延、フライトキャンセルといったトラブルが少ない。
この前、日本にいるとき、イギリスから来日していた投資家と新幹線に乗った。たまたま数分の遅れが生じていて、そのことを駅員さんが執拗にアナウンスしていた。投資家が「これ、何言ってんの?」と聞くのでその旨伝えると、「数分遅れただけなのにこんな大騒ぎになるなんて、やっぱ日本はすごい」と改めて感心された。「イギリスだったら、遅延や突然のキャンセルは当たり前」とのこと。確かにそうだ。
日本がすごいのか、あるいはイギリスがおかしいのか。いずれにせよ、日本と比べて相対的に、(僕の第二の祖国である)イギリスには何か「問題」がある、と言える。
イギリスの、一体何が問題なのか?