日々研鑽(2015/04/15): 全部自分のせい

駆け出しの通訳者だった頃。

「オレがなかなか上達しないのは、仕事が少なすぎるからだ」

と思っていました。
通訳案件を経験すれば、それに基づきウデもどんどん上がるだろうに、なかなか現場を経験させてもらえない。だからこそいつまで経ってもウデが上がらない。だからいつまでも案件を紹介してもらえない。この悪循環をどう断ち切ればいいのか、悩んでいました。



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その後、数年経ちました。
今度は

「仕事が多すぎて、通訳のトレーニングに時間を割けない」

と言っています。
もしオリンピックに「言い訳」という種目があれば、一躍スターになれるでしょう。



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そんな僕が、今日も現場に出て、通訳をしてきました。
自分を蹴っ飛ばしたくなる、くやしいミスをしました。
誰の、あるいは何のせいでしょうか。



クライアントのせい
エージェントのせい
一緒に組んだ通訳者のせい

通訳案件が少なすぎるせい
通訳案件が多すぎるせい

スピーカーの話が回りくどいせい
資料が直前まで出なかったせい
音声がよく聞き取れなかったせい

天気のせい
山手線のせい
昼食べた弁当のせい



どんなことでも、自分以外の誰かの、あるいは何かのせいに出来てしまいます。外部化しようと思えば。

一方その逆に、本当は自分のせいでは無いことまで(自分にもっと通訳力があれば・・・)内部化し、それを糧にレベルアップに精進することも出来ます。



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これまで通訳をやってきて思うのは、通訳者にとって一番大事なのは

・いかに固定客(クライアント)を獲得するか、とか
・いかにエージェントとうまく交渉し、いいレートを引き出すかとか、


そういうことではなくて、

「全て自分のせいである」ことに一刻も早く気付いて、それをなんとかするために具体的な努力をすることではないか、と思います。

(今日の研鑽時間: 上記テーマについてあれこれ考えた1時間)

by dantanno | 2015-04-15 13:59 | 日々研鑽 | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


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