つながるプレゼン

IR通訳者として、これまで超たくさんの企業のIRプレゼンを見てきました。
その数、ざっと500社ぐらい?分かんないけど。

その中で、ベストワンをあげろと言われれば、ソフトバンク(株)かな。
このページに載ってる、「プレゼンテーション資料」ってやつ。

超おもしろいんですけど。



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何がおもしろいって、ほぼ全ページに登場する
青の極太フォント
がおもしろい。

これでもか、っていうアピールぶりが光ります。

あと、スライド66とか67とかもサイコー。



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青の極太フォントを指して、
「要は、自社の強み・実績をアピってるだけじゃないですか?」
って、まあ確かにそうなんだけどね。
でも、こういうプレゼンって珍しいんですよ。



普通のIRプレゼンって、いたるところ文字だらけ。
ほんでもって、
・直近の四半期の業績(売上、利益、他)をセグメント別に並べて、
・期初予算比、前年同期比+/-何%って書いて、
・営業利益の増減分析とかして、
・セグメントごとの動きなど説明し、
・海外事業に触れ、
・設備投資と償却の関係を書いて、
・為替の感応度をちょいと説明し、
・最後ディスクレーマーが入って終わり、ってな具合で、
マジメだけどつまんないのがほとんど。

読みながら、思わずクスッと笑っちゃうようなプレゼンと出会うことはありません。



そんな中、ソフトバンクのプレゼンは超新鮮でした。



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そもそも投資家に対してアピるに足る実績がある、ってのが前提になるけど、
それをこうやってちょっとギャグっぽく、読み手を引きつけるように表現するのってサイコー。



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IRの資料はつまんないといけないって、一体誰が決めたんだっけ?
IR = ビジネス = 仕事 → つまらないもの?
そんなことないでしょ。

野球選手はPlay
音楽家もPlay
だったら、ビジネスにもPlay的な要素があっていい、いや、あって当然なんじゃないの?



真面目一辺倒文字だらけプレゼン 
VS 
ソフトバンクの青の極太フォントプレゼン。



どっちを使ったミーティングの方が、参加してて、また、通訳しててより楽しいか。
投資家にささるのはどっちか。



通訳者の職務経歴書を見てても思うけど、
文字だらけ、通訳実績の羅列だけのWordファイルなんかより、
青の極太フォント
的な一言の方がよっぽど次につながります。



つながるプレゼン_d0237270_2033330.jpg

by dantanno | 2013-03-12 20:37 | IR通訳 | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


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