たんのだんのブログ

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訳す前の「原文整理」

人の発言を訳す際、いろいろな順番が考えられます。



1. (話し手が)言った通りに訳す
2. 要点から順に訳す
3. ロジックの流れが分かりやすいように訳す(起承転結、みたいな感じ)




例えば、

Q "How much profit are you expecting this year?"

という質問に対する、

A   「今年は**の影響で、売上が伸びることが予想されます。
それを踏まえると、利益についてもかなりの伸びが期待出来ると思います。
あと、コスト削減を継続している、というのも効いてくるでしょう。」


という回答をどう料理するか。



以下、訳してないけど、訳す前段階の「原文整理」のオプションをいくつかご賞味ください。



1. (話し手が)言った通りに訳す

「今年は**の影響で、売上が伸びることが予想されます。
それを踏まえると、利益についてもかなりの伸びが期待出来ると思います。
あと、コスト削減を継続している、というのも効いてくるでしょう。」


そのままです。



2. 要点(聞かれていること)から順に訳す

「今年の利益については、かなりの伸びが期待出来ると思います。
その理由としては、
1.**の影響で、売上が伸びること、そして
2.コスト削減を継続している、という点があります。」


箇条書きにするあたりが外資系コンサル風でしょうか。違うか。

これはよくやってます、僕は。
特に日→英の際。

逆に、英→日に訳すときは、意図的に結論を後ろにずらすこともあります。



3. ロジックの流れが分かりやすいように訳す(起承転結、みたいな感じ)

「今年は**の影響で、売上が伸びることが予想されます。
また、コスト削減を継続している、というのもあり、
利益については、かなりの伸びが期待出来ると思います。」


話し手があとから思いついて付け足した感がある「コスト削減」の話を前に持ってくることにより、言ってることを変えずにちょっとだけ分かりやすく(当社比)したつもり。



みなさんはどれが好きですか?
どの原文整理方法(すなわち訳し方)がベストかは、ケースバイケース。
ケースバイケースと言いつつ、各「ケース」において正解は無いから、ケースバイケースですらないのかもしれない。



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「通訳者は、話し手の言っていることを変えて訳してはいけない」
を隠れ蓑に、原文整理という付加価値提供を頑なに避け続ける通訳者もいます。

「話し手の言っていることを変えてはいけない」
には僕も100%Agreeだけど、
話の順番を変えるのは、必ずしも「話し手の言っていること」を変えたことにはならない。
むしろ、結論の位置が異なることが多い言語(例えば日・英)間で通訳をする場合、結論の位置操作は訳の一部

だと思うし、
話し手の言っていることを変えない中で、様々な訳のバリエーションがあり得る
と思うし、
そうした各種バリエーションを比較検討した上でベストの訳を選ぶべき。
どんな簡単なフレーズの訳であっても、少なくとも2つ以上のオプションを比較検討した上で訳を開始すべき。
翻訳者が時間をかけてじっくりやってることを、我々通訳者は瞬時にやるべき

だと思う。

(ダメだ、通訳の話になると、どうしてもアツくなる・・・)



興味深いのは、
要点から最初に訳せばいいとは限らない
だと共感を得やすいのに、
話し手の言った通りの順番で訳せばいいとは限らない
だと、あんまそうでもない、ってこと。



「原文順序頑なに維持派」 VS 「原文整理派」。
どっちの考え方が正しいかは、クライアントからの指名の数が自ずと証明するでしょう。
by dantanno | 2013-01-21 13:39 | 通訳 | Comments(1)
Commented by ぼびー at 2013-01-23 00:32 x
激しくagreeだ!