たんのだんのブログ

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忍者通訳、あらわる!!

クライアントから、
「ダンさんって、ときどき気配を消しますよね」
と言われました。

言われたその時は
D 「はあ、そうっすか」
ぐらいにしか思わなかったんだけど、
後々考えると、通訳者としては案外うれしいかも。

なんか忍者みたいだし。

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通訳者は黒子であるべきだ
といわれます。

通訳者の中には、これを拡大解釈して
訳すこと以上の付加価値提供を怠る言い訳にしている人もいるかもしれません。
それはもちろん論外(特にIRISにおいては)ですが、
僕も基本的に通訳者は黒子であるべきに賛成です。

(オフィスでの仕事風景)

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場の主役はあくまでもスピーチをする人、あるいはミーティング参加者であって、
通訳者ではありません。

をしたり、声がやたらでかかったり、大御所的な恐い雰囲気を醸し出す通訳。。。
そういう存在感(Presence)は、百害あって一利無しです。



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僕が意図的に気配を消すのは、例えばIRミーティングの冒頭の名刺交換のときです。

IRにはいろんなパターンがありますが、
例えば企業のIR担当者と一緒に投資家オフィスを訪問した場合、通訳者はどう立ち振る舞うべきか。



初めて会った投資家に対し、自分が誰であるのか、つまり「僕は通訳者である」ことを説明したいですね。

そして、それに関連するけど、自分は企業側の人間ではないことも察知してほしいですね。
これは、単に情報として重要なだけでなく、通訳の中立性にも関わると思います。

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例えその案件における雇い主が企業側であったとしても、訳は投資家・企業双方に対して中立的であるべきだし、
そのミーティングにおいて通訳者がどっちかの味方に付くことは基本ありません。
こうした中立性を醸し出すためにも、気配を消すことは大事だと思うんです。



企業のIR担当者が投資家と名刺交換をしている間、僕は気配を消そうと心がけています。
そして、心の中でずっと
(オレは企業側の人間ではない、オレは企業側の人間ではない、オレは企業側の人間ではない、オレは企業側の人間ではない、、、)
念仏を唱え、密かにオーラを発しています。



企業との名刺交換を終えた投資家がチラッとこっちを見て、
"で、Who are you??"
的な顔をするのを待って(*必ずします)、
"I'm Dan Tanno, the interpreter"
と挨拶しています。



上記挨拶だけにするか、名刺交換もするか、はケースバイケースで判断しています。
D (この投資家、どうしても落としたい・・・)
と思った場合はしっかり名刺を渡し、
D (フフフ、この後の通訳パフォーマンス、しかと見ておれよ。これがIRIS品質じゃ・・・)
と、再度念仏的なたわごとを心の中で念じます。



この辺のプロセスは、もちろん通訳者によって千差万別だろうし、同じ人でも時によって変えているでしょう。
僕の、最近のマイ・ブーム的なやり方を一例としてご紹介しました。



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いずれにせよ、通訳者にとって気配を消すというのは重要な作業だと思います。

クライアントは冒頭のように言ってくれたけど、自分が果たして本当に気配を消せているのか、特に自信がありません。
また、肝心の「気配って、どうやって消すの?」ってのも、よく分かりません。
ちょっと伏し目がちにする、とか?他にもいろいろあるんでしょう、きっと。



その辺の気配消しテクをマスターできれば、、、、、
銭湯の女湯に忍び込めるかもしれない。
家のフロを使うIncentiveが薄れそうです。

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by dantanno | 2012-12-07 14:07 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)