「ヒッキー・ソトニデテミターノ」
2012年 10月 09日
風邪で寝込んで、3日目ぐらいのことです。
ガッテンだ!
ってことで、仕事帰りに五反田の
http://www.kua-aina.com/
に。
アボガドチーズバーガーセットを2つ注文すると、
店員さん 「出来上がりまで12-3分かかりますので、店内でお待ちください」
D (あ、意外とちゃんと作るのね・・)
なんて思いながら、店内を物色。
店の片隅にフリーペーパーを発見。
暇つぶしに眺めてたら、こんなの見つけたよ。
「ヒッキー・ソトニデテミターノ」
演劇です。
珍しくぜひ観てみたい!と思ったのは、監督?作者?の岩井秀人さんがおもしろそうだと思ったから。
この顔!
きっとただ者ではないはず。
岩井さんがおもしろそうだ、と思った理由は以下の通り:
1. 「問題」を喜劇調に表現
表現者の役割の一つは、世に存在する問題について、問題提起を行うことだと思っています。
それは、演劇でも、絵画でも、経営でもそう。
でも、何か問題があるとして、その問題を指摘し、
「あーあ、こんなにダメか・・・」
と周囲に思わせるだけだと、その表現者自身が Just another problem になってしまう。
そうじゃなくて、問題を指摘しながらも希望を持たせたり、
特に経営者であれば、問題を解決するための建設的な提言が出来ることが必須だと思っています。
今回は「引きこもり」という「問題」を喜劇調に表した劇だということです。
経営とブログとの両面で、今後いろいろ表現していきたいと思っている僕としては、実に気になる表現手法です。
2.「飛びこもり」
僕がとてもおもしろいと思ったのは、この記事に登場する
飛びこもり
という概念。
岩井さんの造語のようです。
「引きこもり」の人が、例えば人とどう接していいのかが分からずに家に引きこもるのだとして、
「飛びこもり」は、いつでも人の輪にズケズケと踏み込んでいってしまう人。
社交性があって、家にこもっていないという意味ではいいのかもしれないけど、
人との適切な距離感をつかめていないという意味では、引きこもり同様、異常。
こういった視点。実にそのとおりだなと思わせる力があります。
ここからは僕の解釈だけど、
仮に引きこもりが「マイナス」方向に触れ過ぎちゃった結果だとすると、
飛びこもりは「プラス」方向に触れ過ぎちゃってる。
過ぎたるは及ばざるがごとし
(以前、某お偉いさんの発言に登場し、うまく訳せずくやしい想いをしました。
その後考えた僕の勝手な訳は、Too much is just as bad as too little)
誰も問題に思っていないこと、みんなが「いい」と思っていることが実は「問題」だったりして、
みんなが顔をしかめるような「問題」が、よく考えてみると実は問題ではなかったり、逆に「いいこと」だったりするこの世の中が、
僕にとっては異常におもしろいんです。
3. 岩井氏による、出演者(引きこもり役)の吹越さん評がおもしろい
ちょっと編集しつつ、記事から抜粋してみます。
岩井氏 「吹越さんと特に親交があったわけではなかったんです。
でも、DVDで彼の演技を観て、役人物をやる吹越さんと、その役人物との距離感みたいなものが、この人は独特だな、面白いなって思ったんです。
そんなに入れ込まない。例えば「泥棒」という役があったときに、泥棒という役になろうとしない」
おもしろそうじゃない??
そんな吹越さんが、引きこもりの役を演じると一体どうなるのか。
ただの「問題」が、希望のある「喜劇」に昇華するのか。
期待は高まるばかりです!
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おもしろそうだから、観に行くことにしたよ。
パルコ劇場のWebsiteに行ってみると、なんと今日(2012年10月9日)、
公演終了後、岩井さんと出演者によるトーク・セッション!
ということで、喜び勇んで出かけてきます。
演劇なんて死ぬほどひさしぶりだよ。
おもしろかったら、またレポートしますね。
<続くかも>