たんのだんのブログ

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集中と緊張とリラックス

村上龍氏の「無趣味のすすめ -拡大決定版」を読みました。
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エッセー集です。


表題作の「無趣味のすすめ」は、わずか2ページの短い作品。
でも、タイトルに選ばれるだけあって、とってもPowerful。

読む人によっていろいろな解釈が出来ると思った。
僕がポイントと感じたのは、以下のくだり。

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「趣味」は  <中略>  考え方や生き方をリアルに考え直し、ときには変えてしまうというようなものではない。
だから趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。
心を震わせ、精神をエクスパンドするような、失望も歓喜も興奮もない。
真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。

つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。
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ほんと好きだわー。
僕は、この人の本(小説以外)や、考え方が大好きです。

文体は、いたってシンプル。
難しい表現でごまかさず、「思ったこと」それ自体で勝負している潔さが心地いい。
あと、とっても男らしい文章のような気がするんです。そういうところも好きです。

僕は、物書きとしては、まだそれこそ「趣味」でブログを書いている程度ですが、
姿勢はこの人を真似ようと思います。まず形から入らないとね。





この本に収録されている別のエッセーで、「集中と緊張とリラックス」という作品があります。
その冒頭で、氏はこう言っています。

--
集中と緊張はまったく別のものだ。
わたしたちは、緊張しているときには何かに集中できない。
それはフィジカルな緊張でも、メンタルな緊張でも同様  <略>。
リラックスしているからこそ、 <中略> 集中できる。
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これを読んで、日頃通訳において意識していることを思い出しました。
それは、「緊張しない」ということ。


通訳案件の直前って、緊張しますよね?

大事な案件
失敗しちゃいけない案件
自分の能力をフルに出し切らないといけない案件
ほど、緊張しますよね、皮肉なことに。

その緊張が、通訳Performanceに与える影響は、果たしてPositiveか、negativeか。




「適度な緊張」は、「適度」というぐらいだから、Positiveなんでしょう。



でも、氏が言うような「集中力を欠くほどの緊張」はどうか。Negativeでしょうね。

本番前の、通訳者の緊張は、
手術前の、医者の緊張や、
離陸前の、パイロットの緊張と同じぐらい、
観客を緊張させる。

観客の緊張は、もちろん観客のためにならないし、しかも、通訳者をさらに緊張させる。



この緊張というやっかいな問題を、
「仕方がないこと」としてあきらめない。


なぜ緊張するのか、を徹底的に科学し、取り除く努力をしたら、緊張しなくなりました。
「努力」と言っても、毎日何時間かけて修行した、とかそういう話ではなく、単に意識を変えてみただけ。

今でも、緊張をゼロには出来ません。
手は汗ばんだりします。
でも、脳の緊張はほとんど無いと思います。


緊張しなくなったら、通訳Performanceが改善しました。

みなさんもぜひどうぞ♪


by dantanno | 2011-09-29 21:51 | 通訳 | Comments(0)