コーヒーとタメ口 <完結編> : 通訳へのImplications
2011年 08月 26日
僕のいつもの習性(職業病)で、通訳者としてこの件から学べることは何か、考えてみました。
すぐに思いつくのは2点。
① 言葉のプロとして、言葉を丁寧に扱おう、っと。
日頃から「ハッキリしゃべる」ことは、本番でのいいDeliveryに直結!
(注: 「言葉のプロとして、言葉を丁寧に扱おう」とか言ってるくせに、
誤 「しゃべってたら」 → 正 「しゃべっていたら」? → 「話していては」?
誤 「そうなっちゃう」 → 正 「そうなってしまう」
誤 「言ってる」 → 正 「言っている」
と、ブログで使ってる言葉がグチャグチャですが、それはOKということにしています。話しことば風に書きたいので。)
聞き手に対し、「ゴメンね、今の訳じゃ分かりにくいよね。でも、俺のメンツもあるから、頼むから「今の訳じゃ分からない」って、本番中に騒がないでくださいませ」と、心の中でそっと手を合わせるときとか。
その違和感を、そのまま流しちゃわずに大事にしようかな、って思います。
仕事柄、いろんな通訳者を結構たくさん見てきました。
何年もやっているベテランで、大御所感を漂わせている人もいますが、訳は意外と雑 (失礼!でもほんとだもん) だったりします。
なぜそうなってしまうのかというと、何年も何年も、「ちょっとした違和感」をサーっと流しちゃってるからなのかなあ、と推測しています。
一方、、、
違和感を大事にし、丁寧に反省・振り返りをして、
「なぜ違和感を感じたのか。どこがどう気になるのか」
↓
「では、どうすればいいのか。どう訳せば良かったのか」
を積み重ねている人は、驚異的なスピードで伸びると思う。自分も、キャリア途中で通訳者になった者として、ぜひその道を歩みたい。
<この「違和感」をしっかり拾うためには、自分の通訳Performanceを振り返る必要がある。
② 同通で組んだ相手に、「私の通訳で、直した方がいいと思う点って、何かありますか?」と聞く。自分は聞くようにしていますが、今まで、他の人からはたったの一度も聞かれたことがありません。
③ Voice recorderを使って、自分の通訳を録音し、後で「一人反省会」をする。これは今までも結構やっていて、とてもいい訓練になっています。
通訳に限らず、「若い人の方が吸収が早い」じゃないですか。あれって、なんでなんですかね?
もちろん脳が若いとか、Physicalな面もあるだろうけど、Mental・Psychologicalな面も大きいんじゃないかなあ。
「自分はもうベテラン。学ぶことはあまりない」とかいって、せっかくの「ちょっとした違和感」をたれ流し始めると、何も吸収できず、成長が止まる。
水がジャブジャブ出てるのに、それがアスファルトの上をサーっと流れていっちゃってる感じ。
日々の通訳案件を大事にし、ちょっとした違和感に丁寧に対応し、貪欲に伸びようとしている人は、まるでサハラ砂漠のように、コップ一杯の水をジューッと吸収する。
ウサギとカメの競争と同じです。
気付いたら、ベテランを抜かしているでしょう。
挑戦する通訳者は、油断したウサギじゃなく、貪欲なカメでいたい!