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もっとやるべきことを先にやる

納期が差し迫った翻訳を抱えているとき、翻訳者は当然ながらその翻訳をする。
明日の通訳案件に向け多くの予習が必要なとき、通訳者は当然ながらその予習をする。
マジメな訳者ほどそうだ。

でも、そこであえて翻訳や予習以外のことをしてみる。
ずっとやりたかったプロジェクトに取りかかる、でもいいし、役所に出さないといけないのに億劫で放置してきた書類の準備でもいい。子供と遊ぶでもジムに行くでもいい。そういったほっといたらやらない・進まない、でも大事なことを先にやったらいい。

だって今日納品の翻訳はこの後必ずやるから。
予習しないと明日の通訳撃沈するなら、今日必ず予習するから。
そうした「どうせ必ずやること」は後回しでいい。

翻訳や通訳の予習に逃避するのではなく、もっとやるべきこととまずは向き合うことも大事だと思います。



# by dantanno | 2026-01-08 08:09 | Comments(0)

訳以前の貢献

通訳であれ翻訳であれ「訳以前の問題」を指摘し改善させられる訳者は重宝される。
通訳であればプレゼンの仕方や内容を提案したり、翻訳であれば原文を分かりやすくしたり。

それをするためには過去の経験や業界知識がモノを言うが、それが無くても、視点と意欲だけでもある程度貢献出来る。
「みなさんは当事者だから気付きにくいでしょうけど、外部から見るとこうですよ」みたいな客観的な指摘は貴重。

ただ、それをする際、気を付けないと煙たがれる。「あなたは訳してればいいの」と思われてしまってもいけない。
その辺のインテリジェンス、機微を読む能力も必要。
訳は実に多面的かつ人間的な仕事なのです。

# by dantanno | 2026-01-08 08:03 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)

麻雀は「運」か?

麻雀は「運」か?

確かに配牌(*最初に配られる手)はランダムだし、その後どの牌を引いてくるかも運だ。だから初心者がプロに勝つことだってある。

でも、それはあくまでも「短期的には」の話。一局、あるいは半荘一回であればそうしたラッキーも起きるが、5回、10回、100回と対局を重ねていけば必ず上手な人が勝つ。だって、「上手」ってそういうことですよね()


仕事や人生も然り。

短期的に見れば、たまたま時流に乗れたり、宣伝が上手だったり、ツテがあったり、誰かの真似をしたりして「成功」を収めることは出来る。

でも長期で勝つ、勝ち続けるためには、やはり真の実力が必要。


我らが通訳もそうで、やはり最終的にモノを言うのは「基本的な通訳力」


麻雀同様、通訳においてもスタート時点での運や不公平はある。生まれつき語学のセンスがある人、通訳向きの頭をしている人、は確かに存在する。それはずるい()

でも問題はその「後」だ。通訳者になってからが真の勝負だ。

日々の案件に明け暮れるだけで実力アップをサボっている人は、10年経ってもそのままだ。年老いていく分、むしろ通訳力は落ちてくる。そういう例もあるだろう。


そうではなく、日々、予習や案件本番以外の取り組みを通して通訳力を向上させている人が勝つのだ。そういう例も、少数ながら実際に見てきたし、それに伴走してきた。


今後、我々の敵は「他の通訳者」ではなく「AI」だ。今後、、、っていうか既にそう。

AIの良いところは日々、文句も言わずただひたすら進化し続けるところ。ああいう通訳者、ウチの会社にもっとほしい。


AI翻って我々人間通訳者はどうか。

我々の本当の敵はAIではなく向上心の無い自分なのかもしれない。だからこそ、これは自分次第で勝ちに持っていける勝負だと思う。勝つも負けるも結局我々次第なのだ。


# by dantanno | 2025-12-13 09:51 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)

IR通訳者を社外取締役にしましょう!

企業における社外取締役の存在感が増しています。

大きく進展しつつあるコーポレート・ガバナンス改革、資本効率重視、そして株主・機関投資家と経営側の目線を一致させようという流れ。いずれも社外取締役の重要性が増す方向に作用する要素です。

少し前までは「女性で弁護士、あるいは女性で会計士であれば誰でもOK」といったおかしな風潮も一部で見られました。でも、そうやって選任された社外取締役の実質的な貢献度が明らかになるにつれ、今後はより実体のある、本当の意味でその会社に貢献出来る人が、性別関係なく社外取締役として求められ選ばれるようになる、という健全かつ当然な状態になっていくことを期待しています。社外取締役の選任においてまず性別ありきで考えることは、むしろコーポレート・ガバナンスの主旨に反するとも言えますし。

ーー

さて、もし今後企業が単なる表面的な人数合わせではなく、本当の意味でその会社に貢献出来る人を社外取締役として迎えたいのであれば、我々のようなIR通訳者は候補としてどうだろうか、と思うんです。

そして就任後は、単に社外取締役として経営陣に助言をするという当たり前の機能を果たすだけでなく、会社のIRチームの一員として実際にIRをするんです、我々が。社外取締役として、株価を上げにいくんです。

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IR通訳者が社外取締役として適任、、、いや、最適だと思う理由はいくつかあります。

・海外の機関投資家と日本企業の経営陣の橋渡しをしてきた経験
我々IR通訳者の仕事は、日本企業と海外機関投資家との間で行われるIRミーティングの通訳です。だからこそ、海外の機関投資家が日本企業に対して何を求めているか、をよく分かっています。それに対し日本のいろいろな上場企業がどう答え、対応しているか、も日々最前線で見ています。
しかも我々は単にミーティングに出席しているだけでなく、そこで交わされる会話の通訳をしているんです。通訳をする際は、話を聴くだけの場合と比べ一段深いレベルの理解が求められます。それを長年に渡り続けて来た、という経験はなかなか得がたいものだと思います。

社外取締役として就任したあと、自らその会社のIRの現場に立ち、海外機関投資家に向けてストーリーを語り、逆に海外機関投資家が求めているものを経営陣にフィードバックする、その役割を担うのに最適なのがIR通訳者ではないかと思うんです。

社外取締役という立ち位置が絶妙なのは、ある意味社内、ある意味社外だからです。経営の一員になってしまうと海外機関投資家にとっての客観性が失われます。一方で完全に社外の人間だと「あなた誰?」となってしまいます。海外機関投資家に対する説得力を付けるためには「IRの出来る社外取締役」、というのが実に絶妙なポジションなんです。

1.海外機関投資家が求めているものをしっかりと企業に伝え、変革を促し、
2.しかもその変革に実際に立ち会い助言する。
これこそコーポレート・ガバナンスの究極の姿ではないでしょうか。

・無数のセクターや企業を、1.横串で、しかも2.定点観測してきた経験
我々IR通訳者は、日々、あらゆるセクターのあらゆる企業の通訳をしています。だからこそ、あるセクターで起きていることが別のセクターではどうなのかな、といった横方向の分析・思考が出来ます。
また、同じ会社のIRを複数年に渡り担当することも多く(特にある程度売れっ子でリピートで指名が取れる通訳者であれば)、その場合、その会社のいいときも悪いときもそれに寄り添いモニタリング出来る、という強みがあります。同じ会社を縦方向でも定点観測しているんです、長年に渡り。

しかもこれ、単に「過去にそうした経験がある、それを活かせる」というだけでなく、社外取締役就任後も現役のIR通訳者としてそうした活動(いわば取材)を続けていける、というのが大きな強みです。

・コミュニケーションのスペシャリストである
通訳をしているだけに、我々はコミュニケーションのスペシャリストです(*その割には、通訳者同士でコミュニケーションを取ろうとすると話があっちに行ったりこっちに行ったりして噛み合わないこともありますが、今日のところはそれは置いておきます)。

社外取締役に一番求められるのが「コミュニケーション」ではないでしょうか。それは取締役会における社内での議論についてはもちろんそうですし、しかも、今回私が提案している「IRをする社外取締役」であれば対外的なコミュニケーションにもあてはまります。

企業や証券会社のバンカーのみなさま、ぜひご一考を!

# by dantanno | 2025-12-03 12:14 | IRIS・経営 | Comments(0)

自然な通訳

通訳が上手なことよりもはるかに大事なのは「通訳が上手そうに聴こえる」こと。

上手なのに、、つまり話された情報をちゃんと拾って訳出(やくしゅつ)しているのに、あまり上手そうに聴こえないという、もったいないケース散見。一方で、よくよく聴いていると実は結構雑だったり不正確だったりするのだが、会場にはなんだか上手に聴こえ、それが評判につながっている通訳者もいる。ずるいw

ポイントの一つが「自然な通訳」かどうか。その背後に人間を感じる、人間らしい通訳になっているかどうか。まるで話し手本人がフツーに異言語でしゃべっているのを聴いているかのような訳かどうか。

そういう訳は遠回り。通訳者が一度話し手の言葉を全部受け止め、「自分のこと」として「説明」する必要がある。ときには意図的に内容を落としたり、編集したり、要約したり、補足したり。ストーリーを立体的に浮き立たせるために抑揚をつけることも重要だ。いずれも「ちゃんと正確に訳す」ことだけを心掛けていては発生しえない追加作業だ。それをやる必要がある。

なによりも大事なのは「自然な、人間らしい訳を目指すこと」。そもそもそれを志向していなければそういう訳は絶対出てこない。能力よりも姿勢の問題なのだ

# by dantanno | 2025-11-07 14:26 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)

通訳・翻訳者 丹埜 段(たんの だん)のブログです。IRを中心にビジネス・ファイナンス系を専門としています。 通訳会社IRIS経営。http://iris-japan.jp


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