たんのだんのブログ

irisjapan.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2012年 08月 ( 20 )   > この月の画像一覧

ああ、海外展開・・・

以前、一緒に回った投資家のお話。
d0237270_14462.jpg



一週間かけて、いろんな会社を回りました。

IR Mtg.の後半(50分ぐらい)になると、必ず聞いていたのが
投資家 "What are your plans for overseas?"
今後の海外事業についての考え方を問う質問です。



それに対し、待ってました!とばかりに、
企業 「ハイ!海外展開については積極的に進めて行こうと思っていまして・・・」
と、うれしそうに答える企業 (以下A社)。



投資家は、その場ではニコニコして聞いていますが、
d0237270_1195831.jpg
訳している僕としては、毎回
D (Oh, no...)
な気持ちに。

この質問、実は引っかけ問題なんです。



Mtg.終了後、エレベーターの中で僕と二人っきりになった途端、
投資家 「A社も 「積極的に海外展開」 か。。。 厳しいな」
となり、エレベーター内の空調設定が一気に3℃ぐらい下がります。


---


A社からすると、
海外展開は攻守に渡り、Makes sense(理にかなっている)です。

攻め: 特に新興国などに進出すれば、日本国内の低成長を補う高成長を実現出来る可能性がある。
守り: いろいろな国で事業を展開すれば、リスクを分散できる。



でも、投資家からすると、必ずしもそうではない。



投資家がA社に投資しているのは、
日本のリスク(およびそこから得られるリターン)に投資したいと思っているからであって、
「中国リスクを取りたいから」ではありません。

言い換えると、投資家が

攻め: 「中国に賭けたい!」
守り: 「日中でリスクを分散したい。」

と思ったら、日本企業であるA社への投資を維持・縮小した上で、別途、中国企業B社に投資をすればいいわけです。

何も、「日本企業A社経由の中国投資」をする必要はありません。
d0237270_1534088.jpg



直接中国に投資すれば、例えば中国企業B社の低コスト(安い人件費等)の恩恵にあずかれるのに対し、
日本経由での投資になると、日本企業A社の高コストを負担する必要が出て来ます。

また、日中間の投資バランスを自分で自由に決められず、A社にゆだねる必要が生じる、という問題もあります。

さらに言うと、日本が昨今のように日中、日韓、日露と、全ての隣国と領土問題でモメている残念な状況を踏まえると、例えば日本経由の中国投資がとてもリスキーかつイロジカルに思えてくる、というのもあるかもしれません。


---


日本企業に対し、
投資家 「これだけ円高なのに、なぜ海外でのM&Aを積極化させないのか?」

と迫る投資家もいれば、
今回同行した投資家のように、日本企業による海外投資を嫌気する投資家もいます。
d0237270_1193651.jpg


FYI(ちなみに)、、、
海外投資を嫌がる傾向は、特にJ-REITに投資している投資家に強いと思います。
J以外にA、S、K、US-REITと幅広い投資対象があるので、
投資家 「投資の国際分散はオレが自分でやりたい」
という人が多い。

今後の規制緩和で、J-REITによる海外不動産投資がしやすくなる可能性がありますが、
日本企業Love!なIR通訳者からすると、ぜひ慎重に考えていただければ、と思います。



投資家の意向に安易に迎合する必要は無いと思いますが、
同じ「海外展開をします」という話をするのであっても、
投資家が心の中で求めているものを察知し、それに合わせてプレゼンすると効果的だと思います。
by dantanno | 2012-08-31 01:37 | IR通訳 | Comments(0)

フレッツ+決断=Speed up!

長年愛用してきた冷蔵庫。
なんか最近、小さく感じるようになったので、買い換えることに。
d0237270_0245663.jpg

新宿西口のビックカメラへ。
d0237270_0235155.jpg



しばらく店内を見て回り、「これいいな」と思った冷蔵庫の価格が10万円。
で、NTTのフレッツ光に加入すると、5万円引きだって。半額です。
d0237270_02649.jpg





ネット環境については、これまでずっとWimaxやテザリング等、無線系のサービスのお世話になってきて、
特にこれといった不満もなく、Happyだったわけですが、一つだけ問題が。

神戸女学院の遠隔授業の際、Skypeを使うんだけど、
生徒の声がよく聞こえない。

d0237270_0303515.jpg



通訳の授業で「声がよく聞こえない」ってのは、うーん、例えて言うと、

料理教室の先生が味覚オンチ

ってのと同じぐらい困った状況。
d0237270_036016.jpg



学校側もいろいろ知恵を絞ってくれたんだけど、結局
学校側  「固定系のインターネット・サービスに加入してください」
ってことで、
D (いずれ、フレッツ光とかに入って、回線速度を上げなきゃな。。。)
と思ってたところだったので、まあちょうどいっか。





ビックカメラの係のお姉さんに、店内の
「フレッツ光特設カウンター」に誘導され、手続きが始まります。



お姉さん 「初期工事費用の25,200円ですが、一括払いにしますか?分割払いにしますか?」 (スゲー早口)
D 「あ、う、・・・」


お姉さん 「工事日ですが、最短で*月*日になります。いつがよろしいですか?」 (スゲー早口)
D 「こ、こ、・・・」


お姉さん 「**サポートつきだと月**円、無しだと**円ですが、いかがいたしますか?」 (スゲー早口)
D 「え、いや、あの・・・」




矢継ぎ早です(爆)。
d0237270_7181565.jpg



しかも、同じ「フレッツ光加入コーナー」内でも、微妙に担当が分かれてるみたいで、

お姉さんA 「プロバイダーですが、**と**どちらにしますか?」
に迷ってるウチに、

お姉さんB 「オプションサービスの**の暗証番号を決めてください」
にさらにオントップで

お姉さんC 「お支払いは口座引き落としにしますか、クレジットカード払いにしますか?」




経営者になって半年ぐらい経つけど、
こんなにたくさんの決断を迫られたのは初めて。
d0237270_0215922.png


これが経営か(驚)。




僕も、最初はたじたじだったけど、
なにも防戦一方ではありません。
しっかり反撃しました。

D 「費用は一括で」
D 「工事日は*月*日で」
D 「サポート無しのプランで」



スッゲーやり手の経営者になった気分。

スピード経営。
決断経営。

これか、三木谷さんが言ってたのは・・・(会ったことないけど)





「フレッツ周りの意思決定もいいけど、仕事でも、もう少し決断のスピードを速めよう」と、結構反省しました。

いや、僕の場合、「決断のスピード」どころか、決断そのものから逃げてるケースが多々ある。



恥ずかしながら、僕の得意技は
1. 難しい決断はとりあえず保留。書類は置いておく。
2. すぐに次の決断事項が発生するので、それも保留し、その書類を1.の書類の上に重ねる
3. 視界から消えると、なんだか「決断する必要がなくなった」ような錯覚に陥り、とても気持ちいい
d0237270_7211610.jpg
4. しばらく熟成させる
5. 後で、書類の山をほじくり返すと、1.や2.の書類が出てくるが、既にタイミングや期日が「時、既に遅し」だったりするので、
D (もうしょうがないな♪)
とゴミ箱へ。




一方、それとは対照的に、超決断モードのときもたまにあって、
自分でもほれぼれするほど、次々と決めていけるときもあります。
d0237270_115399.jpg



やっぱ、あまりムラが無い方がいいんだろうな。
決断することから逃げないで、どんどん決めていこう。
決断しないことが一番の損だから。

勇気を出して決断した後の爽快感は、
ずっと重荷になっていた荷物を思い切って手放したときと同様、
実にすがすがしいものでしょう、きっと。
d0237270_72215.jpg

by dantanno | 2012-08-29 01:06 | 経営 | Comments(0)

ステーキな夜

悪友のKと定期的にやってるのが、
銭湯 → 生ビール → ステーキ
の会。



Kも僕も、新宿で育ちました。

僕の実家のすぐ近くに、サイコーの銭湯 + サイコーのステーキ屋があり、この会は大学の頃から続いています。
d0237270_14513047.jpg



まずは銭湯。
d0237270_14503022.jpg


ここのね、コレに注目。
d0237270_14573782.png


この銭湯に限らずですが、
水風呂ってマジサイコー

僕なんて、ホテル泊まるとき、大浴場に水風呂があるかどうかで宿を選ぶぐらいです。

温かいお風呂に入って、
水風呂に入って、
温かいお風呂に入って、

水風呂に入って、
温かいお風呂に・・・・・



永遠に続けられます。
d0237270_1532098.jpg
みなさんにも、超オススメです。



さて、1時間にわたるフロで、身を清めました。
ステーキ屋に移動します。


ネコ
d0237270_14535399.jpg


戦いを目前に控え、チャリを停めるK。
d0237270_14522921.jpg


いざ!!!!!
d0237270_14515757.jpg


Love.
d0237270_1563246.jpg


チリコン + チョリソー。
真ん中の白っぽいのは、全部ニンニクです!
d0237270_1565087.jpg



もっとLove.
d0237270_157526.jpg


すんげー辛いメキスープ(途中まで食べちゃってから、写真撮ってなかったことに気付いた)
d0237270_157528.jpg


もっともっとLove♪ + タコス
d0237270_1575929.jpg


もうお腹いっぱいなのに、〆にステーキ(よい子のみんなは、お腹いっぱいになったら、もう食べない方がいいよ004.gif
d0237270_1581444.jpg


〆のコーヒーで、意味不明のサインを送るK。
d0237270_1582084.jpg


ホントに食べ過ぎた!!!



新宿駅までブラブラ。
昔、よく弟と遊んだ公園を通ります。
なんでオレの写真は必ずブレるんだろう。。。
d0237270_15827100.jpg


楽しかったよ、K。
しばらくもやしと寒天でも食べて、また不健康になりたくなったら行こうな。
by dantanno | 2012-08-27 06:52 | プライベート | Comments(4)

液晶は液晶ならず

先日、ある化学メーカーに行きました。
海外投資家に同行し、そのメーカーとのIRミーティング(Mtg.)での通訳をするためです。



Mtg.中、その会社が作っている製品の話になりました。
その際、企業側が「液晶」という言葉を使いました。



パブロフの犬的に"LCD (liquid crystal display)"と訳したら、
(正確には、"LCD-related materials"と訳しました。)

「いや、弊社の場合、LCDではなく、LCそのものです」

と直されました。



化学メーカーですから、
LCD = Liquid crystal display = 液晶ディスプレイ
ではなく、
LC = Liquid crystal = 液晶TV等で使われる「液晶」そのもの
を作っている、というわけです。
d0237270_1254473.jpg




それを、"LCD"と訳してしまった。

厳密に言うと、"LCD-related materials = 液晶ディスプレイ関連材料"と訳しているわけで、
完全な誤訳ではないんですが、

1. 企業からすると、その長い訳の中の"LCD"のところだけが聞こえてくるわけで、そうなると当然
「いや、LCDではなくて・・・」
となるに決まってる。

さらに、そもそも

2. 「液晶」の訳は、わざわざ"LCD-related materials"とするよりも、単に"liquid crystals"とした方が、シンプルかつ正確。
これで0.05秒ぐらい節約出来たはず。



2.の後ろめたさ(笑)があるので、1.に対しても
「いや、LCDではなく、LCD-related materialsと訳しました」
と反論できない(仮に出来てもしないけど)。



プロがシロウトに訳を直されて、それに反論できないようじゃ世話ありません。
まあ、シロウトに訳を直されてるウチは、あまり「プロ、プロ」と騒がないことですね。



これまで、ずっと何も考えずに
「液晶→LCD」
と訳してきました。
ちょっと考えてみれば、必ずしもそうとは限らないという、当たり前。

こういう惰性が通訳者を堕落させるんですよねー。

僕はまだ全然大御所じゃないけど、
世の「大御所」とされる通訳者たちの通訳を聞いて、
D (この人、この辺が限界かも・・・)
と感じさせられる一番の要素は、こういう細かいところの雑さです。

大御所でもないのに雑、な僕が一番問題。



まだ駆け出しの頃の僕であれば、一瞬考えて、
「液晶 → Liquid crystals」
と、ちゃんと訳せていたかもしれない。

その、「一瞬考える」脳の筋肉が鈍ってるんだなあ。
そして、その脳の鈍りは、カラダではなく、気の緩みから生じています。
初心忘るべからず (←訳しにくい)。



<今日の自戒>
惰性でテキトーに訳してるうちは、お前の訳は次の次元に行かない。
一瞬考えた上で、丁寧に訳せ。
その「一瞬考える」プロセスこそが通訳のおもしろさなんだから、それをおっくうがるな。
お前はIRISの代表なんだから、観客(=シロウト)に直されちゃうんじゃなくて、
観客を感服・感動させる美しい訳をしろ。

IR通訳の道は険し!!
by dantanno | 2012-08-24 16:19 | プレミアム通訳者への道 | Comments(2)

「これから」のIR

IR通訳者は、海外の投資家と一緒に、いろんな日本企業を回ります。



投資家は、「昨日までの」ではなく、「これから」の企業を探しています。

とても賢いオツムの投資家たちが、
自らの投資パフォーマンスにリンクしたボーナスをGetするため血眼になって、
日本の「これから」を担う企業を見つけ出してきます。

IR通訳者は、ある意味、それにタダ乗り(free-ride)出来る、恵まれたポジションにいます。



特にいいのは、優秀な投資家に同行するとき。
優秀な投資家が訪問先として選ぶ企業は、えてして「これから」企業である確率が高い。

また、優秀な投資家が相手だと、企業側もトップ(社長)が対応することが多い。

ってことは、、、
IR通訳者は、「これから」の日本を支える優良企業のトップと、
生き馬の目を抜く投資業界で勝ち残って来た投資家間で繰り広げられる、
緊張感あふれるロジックのキャッチボールをタダで、いや、、、お金をもらいながら楽しめるわけです。

おまけに、優秀な投資家/企業経営者であるほど、賢いし、IR mtg.を成功させたいと強く思っているから、通訳者に対するrequirementも必然的に高くなります。
その分大変なんだけど、でも、一度気に入られると、その後継続して指名を取れる可能性も高い。



IRISの強みの一つは、優秀な投資家からの指名が多い、ということ。

時期をみて合流いただくIRIS2期生の方々にも、こうした優秀な投資家の通訳を多数ご担当いただきます。
我々と一緒にIR通訳の醍醐味を楽しみたいと思ってくれる方。
ぜひ一度、IRISの門をたたいてみてください。
7人の、ステキな仲間がお待ちしています。。
by dantanno | 2012-08-23 15:17 | IR通訳 | Comments(2)

ムハマド・ユヌスさんの通訳をしてきました (完結編)

タイトルに「通訳」ってあるくせに、もはや完全に翻訳ネタになっているこのシリーズ。
ここらで完結させます。



前回の記事で、千葉氏の翻訳にあれこれとイチャモンをつけたような格好になっている僕。



<余談>
千葉さんも大変ですよね。
こうして、見ず知らずの通訳者から、自分の訳についてゴチャゴチャ言われるわけですから、たまったもんじゃないですね。。。
まあ、翻訳なり、映画なり、ベンチャー企業なり、何かしらの作品を、自分の名前の元に世に問うことに伴うコストなんでしょうが。
<余談終わり>




くどいですが、決してイチャモンをつけたいわけではなく、千葉氏の訳を批判したいわけでもありません。
千葉氏の方が、翻訳者として自分よりも上だ、というのを認めた上で言っています。



結局、何を言いたいのか。
絵に描くとこんな感じ。



d0237270_1818169.png



千葉氏の方が、オレよりも翻訳の能力が上。

上なんだけど、でも、
ココに注目!


d0237270_18241775.png



数カ所、線が逆転してるとこがあるでしょ?これは、
僕から見て、千葉氏の翻訳に対し物言いをつけたくなる箇所
を表したつもりです。

Wimbledon風に言うと、
千葉氏の訳に、僕がChallengeをしたくなる箇所
です。
d0237270_1901792.jpg


例えば、前回の記事の
D 「ココは「私」よりも「我々」の方がいいんじゃないですか?」
と思える箇所のことです。



ここで注意したいのは、
千葉氏がミスを犯していて、僕がそのミスに気付き、それを指摘している
のでは全然無い、ということ。

そうじゃなくて、
訳について、協議の余地があるかもしれない
と思える、ということです。



千葉氏は「私」と訳した。
それに対し、僕は「『我々』の方がいいのではないか」とChallengeする。
そのChallengeに対し、千葉氏が「いや、それも考えたんだけど、ここはこうこうこういう理由で「私」の方がいいと思った」と説明し、
それを受けて僕が「なるほど、ごもっともですね。」となれば、「私」のままにしておけばいいし、
僕のChallengeを受けて、千葉氏が「確かに「我々」の方がいいかもしれない」「ということであれば、「我々」に変えてもいいのかもしれない。



<余談>
逆に、
僕がまず最初に訳して、
それを千葉氏がChallengeする、という順番にしてもOKです。

ただ、千葉氏の方が実力が上なので、その順番でやるとこの通り
d0237270_18391354.png
Challengeできるとこだらけとなり、非効率。
やっぱ、最初は上手な人がやった方がいいんでしょうね。
<余談終わり>




さて、仮に僕が3つChallengeをして、協議の結果、2つについてはそのChallengeが通り、1つについては、元の訳のままで行こう、ということになったとします。
そうすると、こんな感じ:

d0237270_1845526.png



線が、前より上がってるでしょ?



3つあるうちの、真ん中の谷の部分は、
「Challengeがあったものの、結局元の訳のままで行くことになった」箇所です。

結果的に訳が変わっていないので、線の位置も変わっていませんが、ここについても、以前よりよくなっていると思います。

訳の文言が以前と全く同じであっても、一度Challengeされ、それを乗り越えた訳というのは、
Challengeを全く受けていない訳と比べ、深み・厚みがあるから。

今後、誰かに
「ココの訳、こうした方がいいんじゃないの?」
と言われたときに、
「いや、そこはですね、こうこうこういう理由で・・・」
と言えるようにしておくのは、翻訳者として実に気持ちがよく、大事なことだと思います。



こうした作業を、仮に「共著」ならぬ「共訳」と名付けます。
既に、本によってはこの手法を取っているものもありますから、何も新しい概念ではないと思いますが、
世の普通のビジネス本などで、「共訳」というのはあまり例がありません。
ユヌスさんの本しかり。


もし、たった2人で共訳しただけで、少し訳がよくなるのであれば、
世の翻訳について、全部訳者5人ぐらいでやったら、翻訳書のレベルもすっごく上がりそうですね。

「後からチェックする、共訳者の手間が・・・」
って、確かにそうなんですが、本をゼロから全て訳すことの手間と比べれば、
「人様の訳を拝見し、意見を申し上げる」
なんて、へのかっぱ。
実際、今回ユヌスさんの原書と訳書を見比べて、Challengeしてみたい点をリストアップするのは、実に簡単な作業でした。



出版社のみなさん、ぜひこうした共訳書をもっと増やしてください!
日本の翻訳の水準が上がるし、翻訳者の仕事も増えるし。

あと、最後に千葉さん。
お会いしたこともないのに、勝手にあれこれ意見をしてすいませんでした。
日頃、「いい翻訳だな」と思える訳に巡り会うことがめったに無いので、柄にもなく熱心に英日を対照してしまいました。。。

いずれお会い出来るのを楽しみにしています。
by dantanno | 2012-08-22 19:06 | プレミアム通訳者への道 | Comments(1)

大企業とベンチャーのハーフを目指す

大企業って、見かけによらず、以外とリスク取ってるし、Entrepreneurialな面がある。
でも、動きが鈍くになっちゃうこともある。
d0237270_1041543.jpg


一方、ベンチャーの弱み(強みの裏返しだけど)は、
あまりにも性急に、コロコロと動いてしまうこと。
d0237270_10391820.jpg


方針や制度があまりにも頻繁に変わると、クライアントの信頼を失うし、
一番恐いのは、それについていけなくなった社員の信頼を失うこと。



理想は、
to always be juggling new, stupid ideas, but to be very slow and conservative in implementing them
なのかなあ。

訳は、
常に新しいアイデア(アホなものも含む)を考えつつ、その実行については、結構コンサバ目に、ゆっくり行うといい
みたいな感じ?



もっとも、ネット業界とか、動きが激しい業界では、あんまコンサバに、ゆっくりとやってたら、出遅れてつぶれるだろうけど。

さて、通訳業界ではどう動くべきか・・・。
by dantanno | 2012-08-22 10:41 | IRIS | Comments(0)

ムハマド・ユヌスさんの通訳をしてきました (その2)

右の本(英語)を、左の本(日本語)に和訳した、翻訳者の千葉 敏生氏。
d0237270_22164323.jpg


以下、僕が完全に千葉氏に対し負けを認めていて、
千葉氏の方が僕よりも優秀な翻訳者であると確信している
という前提をしっかりと踏まえた上で、読み進めていただけるとうれしいです。







ところどころ、訳が違うんじゃないの?という箇所があるんです。



誤訳だ!というほどではない。
でも、一方で、
D (千葉さんはこう訳してるけど、オレだったらこう訳すかな。いろんな解釈があっておもしろいな♪)
で済む話でもない。

その2つの中間ぐらいなんです。



具体例を2つ挙げます。
とてもステキな文章なので、よかったら辞書を片手に取り組んでみてください!

原文
I gave up my academic position and founded a bank - a bank for the poor.
It was the first step in a journey that continues to this day.
The latest stage in that journey, as I'll explain in this book, is creating and realizing an idea for a new norm of capitalism and a new kind of enterprise based on the selflessness of people, which I call social business.


私は学者の道をきっぱりと捨て、銀行を設立した。貧しい人々のための銀行だ。
それが今日まで続く旅の第一歩だった。
そして、本書で説明するように、私は今や人間の無私の心に基づく新しい資本主義や事業形態を築き上げ、実現しようとしている。



この「私は」は違うんじゃないか、「我々は」とすべきではないか、と思いました。

確かに、原文には"I"が3回も登場します。
でも、最初の"I"は「学者を辞めた」"I"、
2番目の"I"は「本書で説明する」"I"、
そして最後の"I"は、「(それを)ソーシャル・ビジネスと呼ぶ」"I"であって、
新しい資本主義や事業形態を築き上げているのが"I"だとは言っていない、と思うんです。

ユヌスさんと比べるのはあまりにもおこがましいけど、同じ経営者のはしくれとして僕が感じるのは、
ユヌスさんのこの一文の主語はきっと"I"ではなく、
「我々、グラミン(IRIS)の仲間全員」であるに違いない、と思うんです。




具体例 その2

原文
I came face to face with the struggle of the poor to find the tiniest amounts of money needed to support their efforts to eke out a living.
In particular, I was shocked to meet a woman who had borrowed just 5 taka (the equivalent of around 7 cents in U.S. currency) from a moneylender and trader.
<中略>
No matter how hard she might work, she and her family could never escape from poverty.


貧しい人々の苦労と向き合ううちに、ほんのわずかなお金さえあれば生活をやりくりできるのだと気づいた。
特にショックを受けたのは、金貸し業者からわずか五タカ(約七セント)を借りている女性に会ったときだ。
<中略>
どんなに懸命に働いても、女性や家族は貧困から抜け出せない。




この赤い箇所も、微妙な気がする。

この冒頭の一文だけであれば、Negativeな話(the glass is half empty)をPositiveに(the glass is half full)解釈する、という戦略もアリで、氏の訳もアリかもしれない。
でも、その後にわずかばかりの借金に苦しむ女性の悲劇が描かれているんだから、この冒頭の文の訳は、例えば
貧しい人々が、生活に必要な僅かばかりのお金を捻出するためにどれほど苦労しているかを知った。
とかであるべきだと思う。

こう訳せば、
貧しい人々が、生活に必要な僅かばかりのお金を捻出するためにどれほど苦労しているかを知った。
特にショックを受けたのは、金貸し業者からわずか五タカ(約七セント)を借りている女性に会ったときだ。
<中略>
どんなに懸命に働いても、女性や家族は貧困から抜け出せない。


となって、ロジックがつながる。





こういう例が、枚挙にいとまがないほど見られます。




こう書いてくると、まるで千葉氏の訳を批判・否定しているように思われちゃうかもしれない。
でもそうではなくて、冒頭で書いた通り、僕よりも氏の方が翻訳者として上であるのを素直に認めた上で、こういうことを書いています。

結局何が言いたいのか。
オチは完結編で!

<続く>
by dantanno | 2012-08-17 22:52 | プレミアム通訳者への道 | Comments(2)

ムハマド・ユヌスさんの通訳をしてきました

先日、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌスさんの通訳をしました。
d0237270_735934.jpg



読者のツッコミ1  「自慢かよ?!」



いえ、ちがいます。
当たり前ですが、大物の通訳をしたからといって、通訳者がすごいなんてことはもちろん全く無く、全ては通訳パフォーマンスがよかったかどうか、だけ。
この日の僕の通訳(同時)はダメでした。
ユヌスさんに申し訳ない感じ。

ユヌスさんはゆっくりと、ハッキリとしゃべる方です。
また、話の内容も、事前に想定していた範囲内で、特に??なことをおっしゃったわけではありません。
単に、僕の通訳がヘタだっただけ。

やっぱ英→日は難しいなあ!
日→英だと、話の内容をビジュアル化(映像化)しやすくて、訳しやすいんだけど、
Source language(SL)が英語だと、コトバを超えて映像化するのがすごく難しくて、訳しながら
D (ああ、ヘタクソな訳だなあ・・・)
と、まるで人ごとのようにあきれてしまいます。

逐次通訳であれば、訳し始める前の1秒間で訳の順番・構成を考えられるんだけど、
同時通訳だと、それが出来ない。SLが日本語であればまだなんとかなるけど、英語だと難しい。
やっぱ、リテンション能力が足りないんだろうな。

今年は語彙とリテンションを重点的に鍛えてみよう、っと。




読者のツッコミ2  「 『ユヌスさんの話』とかいって、IRじゃないやんけ!」



まあ、そうですね。すいません。

IRISが「IR専門」の通訳会社であるのを重々ご承知の上、それでもクライアントがIR以外の案件を依頼してくださった場合、それが例えばビジネスとか、経済とか、IRの知識・能力をベースとして活かせる分野であれば、喜んでお受けすることにしています。
相当こじつけですが。




お話の内容は「ソーシャル・ビジネス」でした。



まだ離陸できていないIRISのようなビジネスを経営していると、

D (IRISも、ソーシャル・ビジネスとして位置付ければいいのかな)

なんて思いたくもなりますが、
例えソーシャル・ビジネスであっても、ちゃんと従業員に給料を払っているわけで、今、
1. 通訳者たちに十分な数の案件を紹介できていない
2. 事務局スタッフに十分な給料を払えていない
IRISは、別にソーシャル・ビジネスでもなんでもなく、単に
もっとがんばりましょうビジネスなんだな、と気付きます。
d0237270_794157.jpg





ユヌス氏の考えは、要は従来型の「営利追求ビジネス」と、NPO的な組織の中間に、「ソーシャル・ビジネス」という組織があり得る、という感じです。

ソーシャル・ビジネスの一番の特徴は、
1.利益を追求する(なので、NPOではない)ものの、
2.余剰利益を株主に配当せず、全て事業に再投資する、という感じです。

IRISの場合、生み出された利益を通訳者に還元したいと思っているので、その面では似ていると思いました。
いや、似てないか。
単にお金を渡しちゃうだけだと、ボーナスを払った、というだけですね。

「事業に再投資」という観点からすると、例えば通訳者のレベルアップのための投資、とかだったらあてはまるんでしょうね。

<余談>
別途書こうと思いますが、通訳者の多くは、陸上選手やピアニストと違い、
本番以外での、自身の通訳力のレベルアップのためのトレーニングに、時間・労力をあまり割こうとしません。
その辺のMindsetを少しでも変えられれば、通訳界にとって、とてもいいことだと思っています。



僕として一番気になる点は、「経営者の報酬体系はどうなっているのか」でした。
それは本には書いてなかった気がするので、プレゼン後のQ&Aに期待しましたが、あいにくその質問は出ませんでした(笑)。




案件に向けた予習で、ユヌスさんの本を読みました。
d0237270_742940.jpg


右側の、英語のやつを読んだんだけど、
たまにそれと照らし合わせるため、日本語版も用意しました。



この日本語版の、翻訳がいい!
d0237270_7114026.jpg

千葉敏生さんだって。
どれどれ・・・
d0237270_7112722.jpg



オレよりだいぶ若いし!



正確で、読みやすくて、とてもいい翻訳だなあ、と思いました。
僕も結構翻訳をしますが、素直に
D (オレよりも上だな、この人・・・)
と思える感じ。



感心しながら、英日両方の文章を比較対照していると、
おもしろいことに気付きました。

<続く>
by dantanno | 2012-08-17 07:16 | プレミアム通訳者への道 | Comments(0)

会社で、自家用ヘリを買いました

タイトルの通りです。
個人用ではなく、法人(IRIS)用として、小型のヘリを買いました。

相当悩みましたが、ベンチャーとしては、やはりこれぐらい勢いがないといけないのではないか、と思います。



なんでヘリなんか買ったのか。
別に、伊達や酔狂ではなく、あくまでも業務遂行のための投資として買いました。



通訳の案件当日、電車が止まっていたり、道路が渋滞していたりと、
移動の所要時間が読めないことがあります。

そういうとき、通訳者が投資家との待ち合わせ時間に遅れるのも困るし、
投資家と合流後、急いで移動しないといけないときもあります。



証券会社でインハウス通訳者をしている頃から、
D (2人乗りぐらいの、小ぶりのヘリコプターがあれば・・・)
と、ずっと思っていました。

移動手段が電車かタクシーに限られている他社と比べ、
IRISにヘリがあれば、会社の競争優位に大いに役立つと思ったんです。



しかも、昨今の不況のあおりからか、ヘリコプター相場が大幅に下落しているのも後押しになりました。



もちろん、まがりなりにもヘリですから、
「安くなった」とはいえ、それなりに大きな買い物になります。
まだ立ち上がったばかりの会社が、そんな大きな買い物をしていいものか。
IRIS内でもずいぶん議論がありましたが、最後は創業メンバーである通訳者たちの反対を押し切って、購入に踏み切りました。



買ったあと、どこに停めておくかも大きな障害でした。

幸い、ちょうどウチのオフィス(5階)が最上階で、その上が屋上なので、大家さんと交渉の末、普段はそこに停めさせてもらうことになりました。
(当然、その分家賃は増額になりましたが。。。)
d0237270_14374312.jpg




この投資が、果たして吉と出るか、凶と出るか。
今後のIRISの活躍にご期待ください!

<おわり>






・・・・・・。




え、なになに?







読者 「どんなヘリを買ったのか、写真を見せろ」

ですと?
やっぱり見たいですか。そりゃそうですよね。



じゃあお見せします。














d0237270_14411841.jpg




「会社よ、離陸せよ!」の想いを込め、奥さんに文字をハリーペッターしてもらいました。
d0237270_1432977.jpg


ローター部も、ちゃちいと言えばちゃちいけど、案外しっかりしています。
d0237270_14453552.jpg



実際に飛ばしてみた際のレポは後日!
by dantanno | 2012-08-15 14:41 | IRIS | Comments(0)