たんのだんのブログ

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日々研鑽(2015/04/11): 教えて学ぶ

新年度、新学期。


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今年最初の講義は、「通訳者によるThinking out loudセッション」を行いました。



いつもみたいに生徒にあてて通訳をしてもらうのではなく、3時間、僕が通訳し続けました。

そして、単に「通訳を実演する」だけでなく、通訳者の頭の中がどうなっているかを知ってもらうために、以下のプロセスを全て開示しました:

・ どうメモを取るか (ホワイトボードに大きくメモを取りました)
・ 訳出を開始する前に、一体何を考えるか
   - メモをどう「編集」するか
   - 編集した結果に基づき、どういう戦略を立てるか
   - どの程度「通訳者による解釈」を交えるか
   - 一つ前の訳とのつながりの持たせ方
   - Anticipation(何をどうAnticipateするのか。Anticipateすると、どういういいことがあるのか)
   - うまく訳せないから落とそう/ごまかそう、と思う箇所(笑)、及びそのごまかし方
・ 実際の訳出



いつも、スポーツを観ていて思うことがあります。
例えばゴルフだったら、我々の目に入るのはその選手がどういうショットを打ったか、という結果だけです。
でも、僕が一番知りたいのは「その選手の頭の中がどうなっているか」だったりします。

Tiger Woodsが上手なショットを打つのを観るのはもちろん楽しいんだけど、Tiger Woodsの頭の中を覗いてみることが出来たら。。。

(今日はショットの調子がいいから、強気に攻めてみよう。
あそこの池の右側、そうだなあ、、、大体10ヤードぐらいのところに落として、後は傾斜を使って少し転がす感じで行ってみよう。)

→ 実際に打つ

(あ、思ったよりもスライスしたなあ、、なんでだろ。そうか、ちょっと腰の回転が速かったかな?)



とか、そういうことを知りたいんです。

通訳も同様。
通訳者による通訳そのものにはもちろん興味があるんですが、通訳者の頭の中を覗き、どういうプロセスを経てその訳が出てきているのか、にもっと興味があります。

今でも興味がありますが、自分が駆け出しの頃に現役バリバリの通訳者がそういう機会を与えてくれたら、どんなにすばらしかったか、と思うんです。
だから、今自分がやっています。

生徒たちも喜んでくれたようでうれしい。



ーーー



「通訳を教える」ということを始めてから3年ぐらいが経ちます。


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当初は「教える」ということを強く意識していましたが、最近は「自分が学ぶ」ことも結構意識しています。

今日のような実演は、自分が普段何をどう考えて通訳をしているのかを客観的にあぶり出す、とてもいいきっかけになりました。

実際、それによって新たな課題が見えたと共に、通訳のプロセスを人に説明する際のヒントも得ることが出来ました。



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興味深いのは、このような形式の講義を行うと、通訳案件に伴う疲労とは全く性質の異なる疲労を感じる点。
これはこれで心地いい。

出し切ったというか、やりきった充実感を感じつつ、生徒たちと飲み会へ・・・。

(今日の研鑽時間: 3時間ちょっと)


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by dantanno | 2015-04-12 09:39 | 日々研鑽 | Comments(2)
Commented at 2015-04-15 22:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by dantanno at 2015-05-05 22:32
隣の者さん、これはこれは、気付いていただき、また、コメントをいただき、どうもありがとうございます。うれしいです。
またお目にかかれるのを楽しみにしています。