たんのだんのブログ

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同時通訳ワークショップをやってみたら、実によかった件

最初、IRISの通訳者から
「ダンさん、同時通訳のワークショップをやってみましょうよ!」
と提案され、
「いいですね!ぜひ!!」
と答えたとき、一体どんな感じになるのか、あまりイメージがつかめていませんでした。

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逐次通訳であれば、何らかのネタを用意し、それを交代で訳していって、ああだこうだやればいいわけですが、
(複数人で集まって同時通訳。。。 一体どういう感じになるんだろう。。。)
と思いました。



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何はともあれやってみよう! ということでやってみたら、実によかった

おすすめなので、何をやったのか、そしてそれをやった結果どう思ったのか、を書いてみます。



1. 必要な道具

ヘッドホン(各自)
Youtubeを再生できる機械(PC/iphoneなど)
ICレコーダー(Optional)

上記を持って、IRIS通訳者の有志で集まり、お茶なぞ飲みながらワイワイやりました。



2. ネタを用意

Youtubeなどで、何でもいいからネタを選ぶ。
何でもいいわけですから、我々が使ったネタをリストアップしてもしょうがありませんが、一応リストアップすると:

・ 黒田日銀総裁の定例会見
・ Virgin GroupのRichard Bransonのインタビュー
・ 元Googleの村上さんのプレゼン(スマート・グリッドについて)



3. 同通する

じゃんけんで順番を決める。

最初の人が、PCにヘッドホンをセットし、5分程度同通する。
それをICレコーダーで録音する。

その間、他の参加者は元ネタは聴かず、通訳者のアウトプットだけを聴く。



ここで、訳す本人以外は元ネタを聴かないというのがポイントだと思います。

逐次通訳のワークショップの場合、みんな元ネタを聴いた上で(さあ、それをどう訳すのかな・・・)と思いながら通訳者のアウトプットを聴くわけですが、元ネタが分かっているので、どうしても聴き手もそれに引きずられます。
その結果、仮に訳が分かりにくくても、聴き手の頭の中で修復作業が行われ、(うんうん、分かる分かる)となってしまうことがある。

それに対し、元ネタを聴かずに通訳者のアウトプットだけを聴くのであれば、通訳本番の会場にいる聴き手と同じ立場に立てる。
何が話されているのかを理解する際、通訳者の訳しか手がかりが無いわけで、訳が分かりにくいと伝わりません。
そういった本番環境を再現出来る、という意味で、元ネタを聴かないワークショップはとても貴重でした。



4. 話し合う

通訳者のアウトプットを聴いた上で、他の参加者が

・内容を理解出来たか
・聴きやすかったか

などについてコメントし、アドバイス。

ここで、訳した本人が
「実は結構落としてるんですよ~(汗)」
とか
「この辺、超意訳してます~ フフフ」
と告白したりがおもしろい。



時間に余裕があれば、ここでICレコーダーを再生し、訳した本人に自分の訳を聴かせるのもいいですね。
各自、自分の訳をお土産で持ち帰り、後で聴くのもいいと思います。
僕みたいなぐうたらは、その場で聴かないと絶対に聴かないと思いますが(笑)。



このワークショップのもう一つの効果が、予習の重要性を体感できる、という点。

いきなり選んだネタを同通するわけですから、予習無しです。
そして、通訳しながら
(これ、話の行き先が見えないなあ~)
と心細い想いをしながら超手探りで訳しているとき、
(あ、そっか。普段、実際の仕事では、予習することで話の行き先を見えやすくしてるのか!)
と体感できました。



5. 元ネタを聴く

最後に、みんなで元ネタを聴いて、
「ああ、そう言ってたのか~」
とか
「これは確かに訳しにくいわ~」
などとワイワイ。

そして、元ネタを聴いた上で感じた点があれば改めて本人にアドバイス。



ここでのアドバイスは、「素晴らしいですね~」だけじゃもったいない。
多少耳が痛くなるようなことでも、建設的だと思ったらどんどん言うべきだと思います。

ここで何を言うか次第で、アドバイスをする人自身に対する評価も変わってくると思います。
また、建設的な助言をするとなると、結構本気で考えながら聴かざるを得ず、それもためになります。



以上です。
どうですか?おもしろそう?

我々にとっては、とても有意義な時間になりました。
一人だと気付きにくい点を、信頼できる通訳者から指摘されるのは実に痛気持ちいい(笑)。



ぜひ、親しい通訳者仲間とお試しあれ。
by dantanno | 2014-08-17 18:42 | 日々研鑽 | Comments(0)