たんのだんのブログ

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僕の「通訳者デビュー」その2: 底

(最初の記事はこちら



国際会議当日の朝。
会場までやってきました。



ちなみにこの会議、日本をはじめ、各国政府の代表が参加する結構ガチな会議です。
警備が厳重で、簡単には中に入れません。



事前にエージェントの方から、
「会場の入り口から、私の携帯にお電話ください。
そうしたら一旦外に出て、丹埜さんの入館の手続きをしますので。」

と言われていたので、電話をかけたものの、鳴りっぱなしで、誰も出ません。



数分待ってみて、もう一回かけても同じ。

しょうがないので、その人の携帯ではなく、エージェントの本社に電話したところ、
「担当者はみなそちらの現場に出払っているので、分かりません。引き続き、携帯にかけてみてください。」
とのこと。



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その後、何度かトライしたものの、相変わらず誰も出ず、ベルが空しく鳴り響くだけ。



この間、ずっと会場の入り口付近にたたずんでいるわけですが、あまり長時間ウロウロ出来そうな雰囲気でもありません。



仕方がないので、一旦最寄り駅近くまで退散。

そこから何度か電話しても、相変わらず。



既にこれだけ積み重なっている着信履歴から、きっと当方の意図は明らか。
担当者が着信に気付けば、すぐに折り返してくれるでしょう。

それを待ちながら、タリーズで時間を潰すことに。



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コーヒーを飲みながら、ときおり電話を繰り返しましたが、結局つながりませんでした。

なんだかんだで、指定された当初の集合時刻から2時間が経過。



エージェントの本社に再度電話して相談したところ、
「すみませんが、今日はもうお帰りください」
とのことで、業務(?)終了となりました。



その後、そのエージェントからお仕事の紹介はありませんでした。



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せっかくだから、コーヒーをおかわりして、しばらく考えることに。



ハタから見たら、平日の朝っぱらから優雅に(でも、その割にスーツ姿w)コーヒー飲んでる人、って感じなのかもしれないけど、実態は「今月会社をリストラされ、それを機にいずれ通訳会社を起業することを決め、まずはいっぱしの通訳者になることを目標にしたはいいものの通訳の仕事はなかなか無く、せめてもの思いで「通訳が行われるであろう国際会議の受付・誘導係の予備スタッフ」として現場に出向いたものの結局中に入れてもらえず、これからスゴスゴと家に帰る人」です。



今、この店でサラリーマン時代の同期とバッタリ会っちゃったら、、、



同期 「おう、ひさしぶり。今なにしてんの?」
に対し、
「ああ、バイトしに来たんだけど、会場に入れてもらえなくてさ。2時間待機したから、2,400円もらえるかな、どうかな。ハハハ」
と、正直に答える自信がありません。



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ガランとしたタリーズで一人コーヒーをすすりながら、



(今日が、コレが、俺のキャリアの「底」なんだな・・・)



と思いました。



誰に対するでもない恥ずかしさはちょっとあったけど、悲しみとか怒りとか、そういう感情は一切ありませんでした。

(ここから始まるのか・・・)

という、空っぽな気持ちは実に清々しい。

そして、ハタから見たらどうか分かりませんが、サラリーマン時代の「起業に向かっていない自分」と比べれば、今日は不発に終わったけれども、「通訳会社を経営する」という目標に向けて登山を開始したという実感が気持ちよかったのを覚えています。



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これが僕の「通訳者デビュー」です。

結局、通訳はおろか、仕事もしていないわけで、そういう意味ではデビューしていないんですが、僕は勝手にこれを自分の「デビュー」と位置付けています。



次の記事では、通訳者のデビューをサポートするために通訳エージェントがすべきことについて書こうと思います。

<続く>
by dantanno | 2013-09-09 12:25 | 通訳 | Comments(1)
Commented at 2017-09-19 14:13 x
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