You only have to live

僕はめんどくさい人間です。

今でもめんどくさいですが、昔はもっとめんどくさかった。



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大学時代。
友人たちと飲んでいるときに

友 「ああ、明日一限行かなきゃ。。 うぜーなあ」

こういう、何の問題も変哲も無い発言にピクンと反応してしまうんです。

D 「行きたいから行くんでしょ。」
友 「いやいや、行きたくないよ。でも、行かなきゃいけないじゃん。」
D 「明日の一限も、そもそも大学も、『行かなきゃいけない』んじゃなくて、『行きたい』んでしょ?」

話は噛み合わず、場はしらけ、「そろそろ帰ろうか・・・」となります。



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その後、社会人になりました。



会社の新人研修で、名刺の渡し方とか、会社の沿革などを学びました。
その一環で、英語のクラスもありました。

同期には、僕以外にも帰国子女の人とか、「アメリカの大学を出ました」みたいな人がいました。
そういう人たちはみなペラペラで、「いまさら英語」という感じでもありません。
ですので、我々は英語そのものではなく、英語でのプレゼン術とか、そういうことをトレーニングしました。

講師は、研修会社から派遣された、アメリカ人のお兄ちゃんでした。



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ある日の講義。

「ハーイみんな。
今日は、『自分はどういう社会人になりたいか』というテーマでプレゼンしてみよう」


とのこと。



一人ひとり、英語でプレゼンしていきます。

「早く実務を身につけなければいけない」
「上司や先輩の期待に応えなければいけない」
「会社に貢献しなければいけない」




みんなのプレゼンを聞き終わった先生は、「とてもよかった」と褒めてくれた上で、

Don't say "I have to". 
You only have to live.


と言いました。



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僕を含め、何人かの同期がプレゼンで
"I have to 何々"という表現を使っていました。

それに対し先生は、

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Don't say "I have to". 
You only have to live.

(訳例)
"I have to 何々(「何々しなければいけない」)"って言うな。
お前たちが「しなければいけない」のは、生きることだけだ。

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と言ったんです。

この"You only have to live"という言葉を聞いたとき、すごくあたたかい気持ちになりました。



この言葉に対する、僕なりの解釈は:

「我々が『しないといけない』のはただひとつ、生きることだけ。
それ以外のすべての行動は、『しないといけない』からではなく、『やりたい』からやる。そうじゃないのか?」
でした。

僕がずっと無意識に感じていて、どこぞの飲み屋で友人にからんでまで言い表したかったことを、
You only have to live
たった5 wordsで、こんなにも的確に、こんなにも美しく表現出来るなんて。。。

自分の器の小ささ、そして表現能力の欠如を恥じるとともに、言葉のもつ力を実感したのと、人生の指針を新たに手に入れた喜びを感じました。



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生きる上で、行動を選択する場面が多々あります。
そのとき、どういう行動指針に基づいて判断するか。

出来る/出来ない
しないといけない/しなくていい


そして、
やりたい/やりたくない

どれも大事だけど、自分はこの3番目の
やりたい/やりたくない
を一番大事にしていこう、とこのとき決めました。
by dantanno | 2013-08-25 02:31 | プライベート | Comments(0)