社員にボーナスを支給しました
2013年 07月 07日
いつものお給料とは別に、6月末に振り込みました。
今IRISには、MさんとSさんと、2人社員がいます。
「社員」といっても、毎日9時-5時でオフィスに出社してもらっているわけではなく、
主に自宅からやってもらっています。
2人とも、子育て真っ最中の主婦。
でも、「働きたい」という意欲と能力は持っていた人たちです。
IRISの事務を担当してもらっています。
ウチで「事務」って言うと、主にコーディネーション業務になります。
クライアントと通訳者をつなぐ仕事です。
・ クライアントからの依頼を受ける。
・ その案件に適した通訳者は誰かを判断し、案件を紹介する。
・ 本番まで、資料の授受や各種情報のやり取りをフォロー。
そういう業務です。
通訳エージェントにとっては、まさに中枢となる業務。
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去年の2月に会社を興してから、自らもときどき通訳をしながら、
1年間は会社の事務を全て一人でやりました。
最初から人を雇おうと思えば雇えたと思いますが、
あえてそれをしませんでした。
自分が投資家に同行し、1日に企業を5社回る。
その合間の移動時間、タクシーに乗り込み、
一方で投資家と世間話をしながら、
もう一方でスマホをいじり、新たに来た案件の引き合いをさばき、
通訳者からの返信を受けて手帳に書き込み、
クライアントから送られて来た資料を通訳者に転送し、
通訳者からの問い合わせを元に、クライアントに確認を入れる。
今から思うと、(なんであんなことが出来たんだろう・・・)と不思議になります。
まあでも、起業ってのは0を1にすることだから、
起業するときはそれくらいエネルギーが無いとダメなのかもなあ。
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上記のような事務のやり方は、
よく言えば一生懸命、悪く言えば片手間です。
片手間でやっていただけに、ときに事務がグダグダになることがありました。
IRISのお客さまである通訳者、およびクライアントからすると、
片手間のグダグダなどではなく、ちゃんとやってくれた方がいいに決まっています。
でも、そんなお客さまの要望にあえて反し、自分のエゴを貫き通しました。
なぜ1年間は自分で全てやることにしたかというと、
ブラックボックス化を避けたかったから。
最初から人を雇っちゃうと、例えその人が受発信するメールを全てCCで見たとしても、
やはり当事者としての迫力を感じられず、サラーッと流れちゃうような気がしました。
通訳コーディネーション業務のキモはなんなのか。
通訳者たちは何を求めているのか。
どうすれば喜び、どうすれば悲しむのか。
そういったことを、ちゃんと自分のハラで理解したかったんです。
それは、短期的には自分のエゴでしかありませんが、
長い目で見れば、通訳者、そしてクライアントのためになるのは明らか。
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1年間事務をやったおかげで、いろんなことが分かりました。
通訳者の気持ちが分かるようになりました。
また、矛盾するけど、自分が通訳者の気持ちを分かっていないことも分かりました。
今後、通訳者に変わっていってほしい面が見つかる一方、
自分が通訳者に合わせて変わらないとな、と思う面も見つかりました。
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一つ、結構想定外だった収穫は、
通訳コーディネーターの気持ちが分かるようになったことです。
通訳コーディネーターは、基本、「ありがとう」と言ってもらえません。
最初は、通訳者に案件を紹介したとき、これが一番の「ありがとうポイント」かな?と勝手に想像していたんですが、通訳者からの返事は「お引き受けします」とか、「対応可能です」というのが一般的で、「ありがとう」ではありませんでした。
じゃあ、案件が終了したときはどうか。
そのときに「ありがとうございました!」的なムードになるのかな、と思いきや、
「**時に終了しました。ご報告まで」
というのが多かった。
もちろん、全く「ありがとう」と言ってもらえないわけではありません。
ときどき、折り入って感謝の気持ちを伝えられることがあり、そういうときは相当グッときます。
この前は、「自分はIRISに育ててもらっていると思う」とお礼を言ってもらい、つくづくうれしく思いました。
あ、あと、クライアントから来た資料を転送したときとかは、結構お礼を言ってもらえます。
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通訳者たちがなぜ日頃あまり「ありがとう」と言わないのか。
それには、ちゃんといろいろな理由があります。
感謝していないからでは決してありません。
とにかくそういうもの。
だからこそ、日頃子育てをしながら一生懸命IRISのコーディネーション業務を担当してくれている社員には、通訳者の気持ちを代弁し、僕からいつも「ありがとう」と伝えるようにしています。
その一言を沿えようと思えるようになったこと。
案外それが、この1年間の事務の最大の成果かも。
口に出すだけでなく、行動で示そう、ということで、今般のボーナス支給と相成りました。
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たいした額ではありません。
家族でどこかに旅行に行く際の足しになるかならないか、ぐらい。
でも、日頃理解を示してくださっているであろうご主人、ご両親、子供たちに、
僕からの感謝の気持ちを間接的に伝えてもらえるとうれしいです。
Mさん、Sさん、いつも本当にありがとう!!!