たんのだんのブログ

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「アンケート」という魔物

アンケートが好きです。


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一回答者としても回答するのも好きだし、
アンケートの実施者として、人にアンケートをとるのも好きです。



以下、アンケートについて考察してみます。

1. なぜ、アンケートが好きなのか
2. アンケートの種類
3. 「お客様の声」型アンケートについて




1. なぜ、アンケートが好きなのか

<回答者として>

自尊心?

アンケートって、要は「あなたの意見を教えてください」ってことじゃないですか。
そうなると、
D 「うん?何?ボクの意見を聞きたいの?しょうがないなあ♪」
ってことで、自尊心がくすぐられるのかも。

正解が無い感?

テストじゃないんですよね、アンケートは。
「正解を当てろ!」というプレッシャーがなく、
思っていることをそのまま記述/選択すればいいわけですよね。
そののびのび感がいいのかも。



<実施者として>

ワクワク感が楽しい

回答者の本音に迫るワクワク感。
(え、そう思ってたの?!)的な発見がありそうなワクワク感。
あと、自分に関するアンケートであれば、(褒められるかも・・・)という期待もあるかもしれません。

アンケートの設計が楽しい

アンケートを実施したことがある人なら同意いただけるかもしれないけど、
「何を聞くか」って結構難しい。
また、同じことを聞くにしても、それを
「どう聞くか」とか、
「どういう順番で聞くか」とか、
「どういう選択肢を用意するか」とか、結構難しい。

その難しさが楽しい。

これは、「せっかく取ったアンケートの回答を、一体どう活かすのか」という点につながる、重要な問題です。
この点については、後で詳述します。



2. アンケートの種類

一口に「アンケート」と言っても、いろいろあります。

世論調査型

「今の日本の政治をどう思いますか?」
「誰が首相になるべきだと思いますか?」

的なもの。

新製品どうでしょう型

「従来の電気釜の、どういったところが問題だと思いますか?」
「電気釜に求める機能はなんですか?」
「こういう電気釜があったら、使いたいと思いますか?」

など。

ユーザーレビュー型

レストラン、ショッピング、映画、本。
あらゆる分野で活用されるユーザーレビューも、広義の「アンケート」に含まれるかもしれません。

質問が無い、、、いや、実は「**についてどう思いましたか?」という質問はあるんだけど、それが隠れていて見えない、という点で、あまり「アンケートに回答している」という気はしないけど。



そして、我々がおそらく一番よく目にするのが

サービス改善のための、「お客様の声」型

飲食店に行くと、カウンターに置いてあるハガキとか。
ホテルに泊まったとき、部屋のデスクに置いてあるやつとか。

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以下、こうした「お客様の声」型アンケートについて、
少しつっこんだ考察をしてみようと思います。



3. 「お客様の声」型アンケートについて

「お客様の声」型のアンケート。
そのすごさは、案外世間に見過ごされていると思います。

このタイプのアンケートが、一体なぜすごいのか。



ドM感がすごい

「お客様の声」を求めるアンケートを設計しようと思うと、
アンケート実施者は分岐点に立たされます。

自分は、アンケートを通し、
1. 褒められて気持ちよくなりたいだけなのか、あるいは
2. けなされることにより、自分を改善したいのか。



例えば、あるファミレス店を考えてみましょう。

このお店、
・ 料理は超おいしい
んだけど、
・ お店が汚い
という問題点があるとしましょう。

アンケートで、自分で自信のある「料理の味」周りを重点的に聞くことにより、

「とてもおいしい」
「料理がすばらしい」

的な回答を多く集め、気持ちよくなったり、店長が出世したり出来ます。
でも、改善にはつながりません。

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本当に改善につながるのは、否定的な回答。
そして、否定的な回答を得るためには、否定的な回答がちゃんと出るような、ある意味自分の弱みをさらけ出し、ふんづけてもらうようなアンケート設計が必要になります。

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自信がすごい

例えば、上記とは別のファミレス店を考えてみましょう。

このお店は、
・ 料理がまずい
・ お店が汚い
・ 店員が恐い

と、3拍子揃っているとしましょう。

そんなお店が、サービス改善のため、お客様の声を集めよう!ということで、アンケートを取ることにしました。

料理の味はいかがですか?          いい  5 4 3 2 1  悪い
店内の清掃は行き届いていますか?    いい  5 4 3 2 1  悪い
店員の接客はいかがですか?        いい  5 4 3 2 1  悪い


予想通り、1とか2の回答が多い。

それに対し、
店長 「やっぱりなあ・・・」
って、
お前、アンケート取るまでもないだろ
って話です。



客に言われなくても、
・ 料理がまずい
・ お店が汚い
・ 店員が恐い

のが分かっているのであれば、わざわざアンケートを取る必要なんて無いわけです。

アンケート取ってるヒマがあれば、
問題点の改善のために努力してほしいわけです。



って考えると、サービス改善のために「お客様の声」を求めるのは、実は・・・・・



「我々自身では、もはや自分たちをどう改善すればいいのか分からない。
我々はもう、そういう高いレベルまで来てしまっている。
なので、ぜひお客様の、文字通り「観的」な視点で、
我々が自分たちでは気付いていない欠点を教えてください」


ということになり、
(お前、ずいぶん成長したなあ・・・)
と、師匠に目を細められること必至です。

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アンケートの「お礼の無さ」がすごい

こうした「お客様の声」型のアンケートをする場合は、必ずお礼をしないといけないと思う。
でも、実際にはお礼が無い場合が多い。

アンケート実施者の、「お礼はしなくていいや」という心理の裏には何があるのか?

推測ですが、
「このアンケートに回答することにより、メリットを享受するのは確かに我々店舗側であり、お客様側ではありません。
でも、我々がよくなることにより、結局そのメリットはお客様側に跳ね返ってくるわけだから、それ考えたら、お礼なんかしなくてOKっしょ?
だから、タダで協力してよ。」


ってことなのかもしれない。
ある意味一理あるけど、やっぱりお礼はした方がいいと思います、僕は。



「改善に活かす難しさ」がすごい

上記流れで考えると、真に意味のある「お客様の声」型のアンケートは、

・ 褒めてもらって気持ちよくなるためのアンケートではなく、
・ 自分で気付いている欠点を指摘されるアンケートでもなく、

・ 自分でも気付いていない欠点をあぶり出すためのアンケート

ということになります。

自分でも気付いていない欠点に気付けるようアンケートを設計するのは、
その欠点に自分でも気付いていないだけに、とても難しい。



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また、貴重なアンケート結果を実際の行動につなげられるような、
実務的な回答が得られるよう、アンケートを設計するのもとても難しい。



例えば、ファミレス店が

「お客様のご職業」

を客に尋ねたとして、

それ聞いてどうすんの?

が肝心です。

自営業が多かったらどうするのか。
主婦が2-3割だったらどうするのか。

「いや、結局どうもしません」
だったら、そんな質問項目要らないわけで、
アンケートを設計する際に
「こういう回答だったら行動A、逆にこういう回答だったら行動B」
と、アンケート結果を実際の行動に落とし込むところまで考えてアンケート設計をする必要があるので、とても難しい。

でも、これこそがアンケートの醍醐味であり、アンケートの意義そのものなので、
ぜひアンケート実施者の方々には、ここまで考えた上でアンケートに協力を求めてほしいと思います。

こちらサイド、かなりアンケート好きなので、喜んで協力しますよ!
by dantanno | 2013-06-28 11:47 | 提言・発明 | Comments(0)