たんのだんのブログ

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高度3万フィートで、千々に乱れる

最近、よく飛行機に乗ります。
海外出張とか。
奄美大島にサカナ採りに行くときとか。



飛行機にまつわる、ある法則を知っていますか?
それは、、、

離陸後の機長のアナウンスは、なかなか寝付けない人がちょうど眠りにつきかけたときに、大音量で流れてくる
というもの。

もう一つあります。
機長のアナウンスは、映画がちょうどクライマックスで、観てる人が感極まった頃に、映像・音声を中断して割り込んでくる

ついでにもう1個。
機長のアナウンスは、フライト中も熱心に仕事に勤しむビジネスマンが、ちょうどすばらしいビジネス・アイデアを思いついた瞬間に行われ、アナウンス後、「あれ?さっきのアイデアなんだっけ?」とさせる
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そんな、多くの人にとってはどうってことないものの、
一部の人にとっては困ったちゃん的な存在機長のアナウンス
ちょっと再現してみましょう。
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「こちらは機長の田中です。
本日はご搭乗いただき、誠にありがとうございます。
ただいま、高度3万フィートの上空を飛行しております。
目的地の羽田には、定刻通り、16時20分頃の到着を予定しております。
羽田の天候は晴れ、との報告が入っております。
途中、気流の関係で一部揺れが予想されます。
揺れましても、航空機の安全には全く問題ございません。
本日も、スターアライアンスメンバーの***の便にご登場いただき、誠にありがとうございます。
短いフライトではございますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。

Ladies and gentlemen, this is your Captain speaking.
・・・・・ 以下同文」




フツーの航空会社であれば、大体こんな感じですよね、フツー。
一人一人オリジナリティーがあればまだおもしろいんだけど、大体みんな同じ流れです。



では、これがもしIRIS Airlinesなる、謎のエアラインだったら、どうなるでしょうか。
ちょっと添削してみましょう。





「こちらは機長の田中です。

はい、いきなりストッッッップ!!!!

まず、「機長」ってのが解せない。
あなたは、僕の「長=おさ」ではない。

タクシー乗って、運転手さんに
運 「オレ、車長だから。そこんとこヨロシク!」
って言われても当惑します。

正しくは
機長(Captain) ×
操縦士(Pilot) ○
でしょうか。



「田中です」はどうですか?

いらないか?
でも、考えてみたら、
運 「ご乗車ありがとうございます。日本交通の鈴木です」
と同じか。じゃあいいか。

先を急ぎましょう。



本日はご搭乗いただき、誠にありがとうございます。

これも、別にいいんですが、CAの方々から散々言われてるのと、
アナウンスを少しでも短くする、という観点から、割愛しましょう。



ただいま、高度3万フィートの上空を飛行しております。

この部分にさしかかる度に、いろんな葛藤がわき起こり、僕は悶絶します。

現在の高度を、乗客に伝える必要が本当にあるのか?
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高所恐怖症の人は、果たして大丈夫なのか?
まあ大丈夫だと仮定しましょう。

では、それ以外のフツーの人は?
本当に、現在の高度を知る必要があるのか?

もし「ある」のだとしたら、なぜメートルではなく、フィートで伝える?

機内の至る所で、
乗客 「えーと、メートルに直すには、えーと、3で割って・・・」
が繰り広げられているかと思うと、僕の心は千々に乱れます。
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目的地の羽田には、定刻通り、16時20分頃の到着を予定しております。

離陸する前に、CAのアナウンスで聞いた通り。
その時刻から変わった場合以外は不要かな。



羽田の天候は晴れ、との報告が入っております。

天気に関する法則。
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天気にまつわる情報の価値は、それがどれくらい先の話なのか、の程度に比例する
みな、将来の天気が知りたいわけで、現在の天気や、過去の天気についての情報はあまり求めていません。

しかも、既に離陸してしまった飛行機の場合、「雨だ」と聞いて、慌ててセブン・イレブンで傘を買ったり、
「晴れ」と聞いて、ローソンで日焼け止め買うわけにもいきません。

まあ、でも、これを喜んで聞いてる人も一人ぐらいはいるだろうから、よしとしますか。
先を急ぎます。



途中、気流の関係で一部揺れが予想されます。
揺れましても、航空機の安全には全く問題ございません。


飛行機が気流の関係で揺れることは、みな知っています。
まあ、生まれて初めて飛行機に乗る人で、友人・知人から「揺れることがあるよ」と聞いていない人もいるか。
じゃあ、アナウンスは必要だとして、離陸前のCAのアナウンスで言えばいいので、機長・・・じゃなかった、操縦士のアナウンスからは省略。



本日も、スターアライアンスメンバーの***の便にご登場いただき、誠にありがとうございます。
短いフライトではございますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。


これもいい。いらない。
離陸前、そして着陸後のCAのアナウンスでもさんざん聞かされています。
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さて。。。
添削の結果、どうなったでしょうか。

「操縦士の田中です。
羽田の天候は晴れです。」




操縦士というよりも、気象予報士みたいになってしまいました。
でも、簡潔でいいですね。
もちろん、簡潔どころか、無くすことが出来ればベストです。





アナウンスというものにはすごい魔力があって、
一度マイクを持つと、どんなくだらないことでもどんどん言いたくなるものです。
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あの、声を通して場を支配しているという感覚は、どんな者をもやみつきにさせます。
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当然、一度マイクを握ると、
「本当にこのアナウンスは必要なのか」
とか、
「もっと短くてもいいんじゃないか」
とか、そういう良識は消え失せます。



仕事柄、アナウンスをする人たち。
航空関係、鉄道関係、選挙関係、廃品回収関係と、いろいろいますね。

ぜひ一度、騒音を減らすことを検討してみてください。
by dantanno | 2012-08-13 01:08 | 提言・発明 | Comments(2)
Commented by Shira at 2012-08-13 09:54 x
>ぜひ一度、騒音を減らすことを検討してみてください。
拍手百回! です。

東京メトロ新橋駅のアナウンスに参っています。必死の大声で
「まもなく発車します」
「駆け込まないでください。危険です」
「この後も電車続いて参ります」
とわめきます。駅の低い天井のスピーカーから電気ドリル声でのおしおきです。

これを聞けばさらに多くの乗客が焦って階段を駆け下りるのみ。


地元の相模鉄道線はここんとこ良くわかってます。
「3番線まもなく発車です」
「はい、ドア締まります」
「ピー」(電子ブザー)
次の瞬間ドアを締めます。通勤客は「ピー」を聞いたとたんにあきらめるんです。パブロフの犬ですね。
Commented by dantanno at 2012-08-17 19:58 x
shiraさん、コメントありがとうございます。アナウンスをなるべく減らそう、という発想が無いんですよね。。。むしろ、なるべくがんばっていっぱいしゃべり、お客さんのためにサービスしなきゃ、みたいになっちゃったりして。今度、「うるさい日本の私」読んでみてください、おもしろいから。あ、でも、今以上に騒音が気になるようになっちゃうリスク大なので、ご用心を(笑)。僕はもう怒ったりせず、逆に楽しむようにしています。