「通訳」と「緊張」のいい関係
2012年 07月 29日
緊張。。。
通訳者の緊張には、3通りあると思います。
1. 本番前に感じる緊張
2. 本番中に感じる緊張
3. 本番後に感じる緊張
あなたを悩ますのは、一体どの「緊張」ですか?
1. 本番前に感じる緊張
本番の日が近づくにつれ、胃が痛くなってきます。
あんなに予習する時間があったはずなのに、気付いたらもう前日。ドラクエなんかやらなきゃよかった。
なんでこんな案件引き受けたんだろ。
今から「出来ない」って言ったら、怒るよね、きっと。
本番直前になると、10分前にトイレ行ったのに、また行きたくなります。
2. 本番中に感じる緊張
「失敗したらどうしよう」
「分からない単語/フレーズが出てきたらどうしよう」
「うまく訳せなかったらどうしよう」
「アホだと思われたら(≓アホがばれたら)どうしよう」
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3. 本番後に感じる緊張
「あんな感じでよかったのかなあ。。 クレーム入ったらどうしよう」
(人によっては) 「次の指名入らなかったらどうしよう」
通訳者の中には、
1.の「本番前の緊張」については結構重症なものの、
本番が始まっちゃうと、緊張が吹き飛ぶ(つまり、2.の緊張には悩まされない)という人もいます。
僕は逆で、本番前は「なんとかなるさ」って思うんだけど、
2.の「本番中の緊張」に結構悩まされました。
そんなある日。
ふと考えてみました。
この「緊張」は、オレの通訳パフォーマンスにとって
プラスなのかマイナスなのか
マイナスでしょう、多分。
適度な緊張ならいいんですけどね。
えてして「適度」じゃないから困ります。
<余談>
「適度な緊張ならいい」って、当たり前すぎておかしいんですけどね、日本語が。
つい言っちゃいますね。
(この記事ご参照。)
<余談終わり>
本番前・後にいくら緊張しようが、それは単に「通訳者がイヤな思いをするだけ」で済むし、
パフォーマンスに直接の影響はありません。
問題は、本番中の緊張。
そのせいで、本来の通訳パフォーマンスが出来ず、口惜しい想いをしたこともありました。
<余談>
「緊張のせいで、本来の通訳パフォーマンスが出来ない」自分がまさに「本来の自分」であり、
その自分の残念な通訳パフォーマンスこそ、「自分の本来の通訳パフォーマンス」なんだけど、
そういう都合の悪いことには、なかなか気付かないものです。
<余談終わり>
この緊張から逃れることが出来れば、よりいい通訳パフォーマンスが出来る
そう考えると、この「緊張」ってやつがなんだかとてももったいなく思えてきて、
なんとか、この緊張から解放されることは出来ないものか・・・
とつくづく感じました。
これが3年ぐらい前の話。
今では、全然緊張しなくなりました。
どんなに大きな/重要なイベントだろうが、
厳しいクライアントだろうが、
緊張しません。
もちろん「ゼロ」ってことは無いけど、でも、ほとんど緊張していないと思います。
どういう過程でそうなったのか、別の記事で書いてみようと思います。
(もったいぶるほどの内容でもないんですが。。)
まだ駆け出しで、緊張に悩まされている通訳者の方にとって、なんらかのヒントになればうれしいです。
<続く>