たんのだんのブログ

irisjapan.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

未来のクルマを創ろう(その2) : シートベルトはどうしましょうか

ずっと放置してきたこのシリーズ(前回の記事はこちら)。
そろそろ再始動させようかと。
未来のクルマについて、一緒に考えるシリーズです。


昨日、2011年の交通事故死者数(4,611人)が発表されました。
11年連続の減だそうです。
いいことですね。



未来のクルマに、シートベルトを付けるか否か。

それを決めるのがあなただったとしたら、どうしますか?



みんな 「そりゃ、付けるに決まってるでしょ!」
の声が聞こえてきます。
d0237270_19113720.jpg


確かにそうですよね、付けるに決まってますよね。

なんでですか?063.gif

シートベルトを付けた方が、安全だから、ですよね。

でも、果たして本当にそうか。



今から35年前。
シカゴ大学のSam Peltzmanという経済学者が行った、おもしろい研究があります。
それによると、、、

クルマにシートベルトを付けると、死者が増える


またまた先生、ご冗談を、という気がしますが、どうやら本当のようです。
この学者が勝手にそう思っているだけではなく、統計上、そういうことみたいです。

なぜそうなるのか063.gif、ちょっと考えてみてください。







では、種明かし。
どういうことかというと、、、

クルマにシートベルトが搭載されると、
以前の、シートベルトが無い状態と比べ、
事故発生時にドライバーおよび同乗者がケガ・死亡するリスクが減る。

それが分かっているので、ドライバーは運転に注意を払わなくなる。スピードを出すようになる。
よって、事故件数が増える。

確かに、(シートベルトのお陰で)事故1件当たりの死者数は減るんだけど、
事故件数自体が増えてしまい、
結果的に、クルマに乗っている人の死者数は、シートベルト導入前とあまり変わらない。



一方、シートベルトによって守られていない人がいます。
そう、歩行者です。
d0237270_19165629.jpg


クルマがより「安全」になったのをいいことに、
ドライバーは運転に注意を払わなくなる。スピードを出すようになる。
で、歩行者の死者数が増えるんです。
d0237270_19171584.jpg


クルマに乗っている人の死者数は、あんま変わらず。
歩行者の死者数は増える。
結局、シートベルトがある方が、無い状態と比べ、死者数が増える
という、興味深い研究結果です。

こういう逆説的な効果を、この学者にちなんで、ペルツマン効果というそうです。
おもしろいでしょ?



d0237270_19113720.jpg

この↑、「シートベルトは命を救う」という、100人中100人が信じているメッセージも、
実は、必ずしも本当ではないことが分かります。




未来のクルマに、シートベルトを付けるか否か。

実に悩ましい問題です。

<続く>
by dantanno | 2012-01-05 16:04 | 提言・発明 | Comments(0)