翻訳に対する心構え
2011年 06月 30日
「翻訳も結構好き♪」という人と、「私は絶対通訳の方がいい!」という人と、両方いますね。どちらの気持ちもよく分かります。
僕はまあ中間派ですが、結構好きな方です。
いや、はっきり「好き」と言ってしまってもいいかも。
好き嫌いはさておき、翻訳は、通訳力アップのためのいい訓練になると思います。
通訳・翻訳で、やっていることは要は同じような気がします。
通訳は時間的な制約の中でやるので、どうしてもその分訳のクオリティが落ちます。
一方、翻訳の場合、いくらでも時間をかけていいので(締め切り前であれば・・)、「時間の制約を無くした通訳」と捉えています。
言い方を変えると、通訳の場合、
時間的な制約がある ≒ 瞬時に訳さないといけない → その分、訳のクオリティが落ちるのはやむなし
といった、よく言えばいさぎ良い割り切り、悪く言えば逃げがあると思います。
ところが翻訳の場合、原文の意味・背景について調べるのにも、訳を考えるのにも、いくらでも時間をかけていいので、「時間の無さ」が言い訳にならない。
つまり、翻訳の場合、「これが私の限界です。これ以上うまく訳せません」という、クオリティの高い訳が出来てしまうわけです。
通訳の訓練として翻訳をする場合もそうですが、業務として、おカネを取って翻訳をするのであればなおのこと、「完璧な訳」を実現するという責任感をもってやらないといけないと思っています。